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    相続対策として知られている方法の一つに、養子縁組による節税があります。

    「相続税が下がると聞いた」
    「家族も納得しているつもりだった」

    ところが、この“つもり”が、相続の現場では大きな火種になることがあります。

    ■Aさんの相続で起きたこと

    亡くなったのはAさん(80代)。
    生前、税理士の助言を受け、節税目的で養子縁組をしていました。

    養子になったのは、長男の妻。
    いわゆる「嫁養子」です。

    Aさんとしては、

    ・相続税の基礎控除を増やしたい
    ・家族として長く付き合ってきた
    ・特に問題は起きないだろう

    そう考えていました。

    しかし、相続が始まった瞬間、家族の空気は一変します。

    ■「なぜ、あの人が相続人なの?」

    法定相続人は、実子2人と養子1人。

    遺産分割の話し合いで、実子の一人がこう口にしました。

    「なぜ、兄の奥さんが同じ相続人なんですか?」
    「節税のためって聞いていません」

    この言葉をきっかけに、それまで表に出てこなかった不満が、一気に噴き出しました。

    ・家族の一員とは思っていなかった
    ・相続分が減るのは納得できない
    ・話を聞いていない

    養子縁組そのものが、問題の中心になっていきます。

    ■養子縁組は“法律上は正しい”

    ここで重要なのは、養子縁組自体は、法律上まったく正当だという点です。

    養子は、実子と同じ相続権を持ちます。

    節税目的であっても、形式が適法であれば、相続人として扱われます。

    つまり、「節税のためだったから無効」ということにはなりません。

    ■それでも揉める理由

    では、なぜここまで揉めるのでしょうか。

    理由は単純で、家族の認識と法律のズレがあるからです。

    ・法律では「相続人」
    ・家族感覚では「外から来た人」

    このギャップが埋まらないまま、相続の話し合いが始まると、感情的な対立に発展しやすくなります。

    ■「節税」が前面に出る危うさ

    さらに問題を複雑にするのが、「節税のためだった」という説明です。

    ・お金のために養子にしたのか
    ・家族として迎えたわけではないのか
    ・自分たちは軽視されたのではないか

    こうした疑念が、実子側に生まれやすくなります。

    節税という合理的な判断が、感情の面では受け入れられないことも多いのです。

    ■前編まとめ

    ・養子縁組は節税対策として使われることがある
    ・法律上、養子は実子と同じ相続権を持つ
    ・家族の認識と法律のズレがトラブルの原因
    ・「節税のため」という説明が火種になりやすい

    次回の中編では、養子縁組が相続に与える具体的な影響
    どこで争いが起きやすいのかを、実務目線で整理します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・養子縁組が絡む相続関係の整理
    ・相続人・相続分の確認
    ・感情対立を踏まえた事前整理と助言
    ・遺産分割協議に向けた実務サポート
    ・専門家と連携した相続対応


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