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    相続の相談で、一定数必ず出てくるのが賃貸アパートを含む相続です。

    「不動産があるから安心」
    「家賃収入が入るなら問題ない」

    そう思われがちですが、
    実務では相続後に一気に話が重くなるテーマでもあります。

    なぜなら、賃貸アパートの相続は、
    単なる「財産の分け方」では終わらないからです。

    ■Aさん家族のケース

    亡くなったのは父・Aさん。
    地方都市に、築30年の賃貸アパートを1棟所有していました。

    相続人は次の3人です。

    ・長男(会社員・地元在住)
    ・長女(道外在住)
    ・次男(自営業・不動産知識あり)

    父は生前、管理会社と付き合いながらも、
    最終判断はすべて自分で行っていました。

    葬儀後、遺産分割の話し合いが始まったとき、
    最初はこう考えていました。

    「とりあえず3人で相続すればいいよね」

    しかし、話を進めるうちに、
    別の問題が浮かび上がってきます。

    ■「家賃収入=不労所得」という誤解

    賃貸アパートについて、多くの方が誤解しているのが、
    「家賃収入=何もしなくていいお金」
    というイメージです。

    現実の家主業は、次のような判断の連続です。

    ・修繕やリフォームの判断
    ・入居者対応やクレーム対応
    ・空室対策
    ・管理会社とのやり取り

    これらを誰が担うのかを決めないまま相続すると、
    必ず行き詰まります。

    ■共有にすると何が起きるのか

    前編でまず押さえておきたいのが、賃貸アパートを
    相続人全員の共有にした場合のリスクです。

    共有にすると、
    ・修繕や売却の判断がしづらい
    ・意見が割れると何も決まらない
    ・責任の所在が曖昧になる

    特に、
    「誰が実務をやるのか」
    「その負担をどう評価するのか」
    を決めていないと、不満が溜まりやすくなります。

    ■「やる人」と「もらう人」のズレ

    実務でよくあるのが、次のような構図です。

    ・実際の管理は長男が担当
    ・収益は法定相続分で平等に分ける

    この場合、長男には
    「自分ばかり手間がかかる」
    という不満が残りやすくなります。

    一方、他の相続人は
    「財産を平等に分けただけ」
    と感じており、認識のズレが生まれます。

    ■賃貸アパート相続は“経営”の問題

    賃貸アパートの相続は、相続と同時に
    小さな不動産経営を引き継ぐことでもあります。

    だからこそ、
    「誰がどこまで関与するのか」
    「責任と権限をどう分けるのか」
    を考えずに進めると、後から必ず揉めます。

    ■前編まとめ

    ・賃貸アパート相続は分け方だけでは終わらない
    ・家主業という“役割”が発生する
    ・共有は意思決定を難しくする
    ・実務負担と収益配分のズレが不満を生む

    次回の中編では、賃貸アパート相続を法的にどう整理するのか
    共有・単独・法人化などの選択肢を、実務目線で解説します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・賃貸不動産を含む相続全体の整理
    ・共有リスクを踏まえた分割方針の検討
    ・家主業の役割分担・負担整理
    ・遺産分割協議書への反映支援
    ・弁護士・司法書士と連携した相続対応


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