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    相続の相談で、近年とても増えているのが、次のようなトラブルです。

    「遺産の分け方はまとまったのに、 ペットの行き先で話が進まなくなりました」

    ペットはお金ではありません。
    しかし、実務では、遺産よりも深刻な対立に発展することがあります。

    今回は、なぜ「ペットの行き先」が相続トラブルになるのか、
    その入口部分を整理します。

    ■Aさん家族のケース

    亡くなったのは母・Aさん。
    一人暮らしで、長年、犬を一匹飼っていました。

    相続人は次の3人です。

    ・長男(実家から離れて生活)
    ・長女(ペット可住宅だが多忙)
    ・次女(動物は苦手)

    母は生前、「この子のことだけが心配」と何度も口にしていましたが、
    具体的な引き取り先までは決めていませんでした。

    葬儀後、遺産分割の話は比較的スムーズに進みました。
    ところが、最後に残ったのが、ペットの問題でした。

    ■「誰かが引き取るだろう」という思い込み

    相続人の誰もが、「誰かが引き取るだろう」と考えていました。

    しかし、現実は簡単ではありません。

    ・住環境の問題
    ・仕事や介護との両立
    ・動物アレルギー
    ・経済的・精神的な負担

    それぞれに事情があり、簡単に「私が引き取ります」とは言えなかったのです。

    ■ペットは「相続財産」ではない

    ここで多くの方が誤解しているのが、ペットの法的な位置づけです。

    ペットは、法律上は「物」として扱われますが、
    預貯金や不動産のように分けることはできません。

    また、「相続すれば自動的に引き取られる」という制度もありません。

    この曖昧さが、相続人同士の責任の押し付け合いを生みます。

    ■「可哀想」が感情対立を深める

    ペット問題で厄介なのは、感情が強く絡む点です。

    ・「引き取らないなんて冷たい」
    ・「無責任だ」
    ・「可哀想だと思わないのか」

    こうした言葉が飛び交うと、相続の話は一気にこじれます。

    誰もペットを嫌っているわけではなくても、現実的な事情を口にすると、
    責められているように感じてしまうのです。

    ■ペット問題は「後回し」にできない

    遺産分割は、時間をかけて調整できます。

    しかし、ペットは生きています。

    ・世話をする人
    ・餌や散歩
    ・医療費

    今日・明日の問題として、対応を迫られます。

    だからこそ、話し合いが感情的になりやすく、相続全体に影響を及ぼします。

    ■前編まとめ

    ・ペットの行き先は相続以上に揉めやすい
    ・「誰かが引き取る」という思い込みが危険
    ・ペットは分けられない存在
    ・感情が対立を深めやすい

    次回の中編では、
    ペットは法的にどう扱われるのか
    相続とペット問題の整理の仕方を、
    実務目線で解説します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・相続とペット問題の整理
    ・相続人間の役割・負担の見える化
    ・感情対立を踏まえた話し合い支援
    ・遺言書作成時のペット対策助言
    ・相続トラブルを防ぐための事前整理


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