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    「父が住んでいた家を相続したはずなのに、
    突然、地主から“建て替えは認めない”“名義変更には承諾が必要だ”と言われた」

    借地権付き建物の相続では、
    このような相談が少なくありません。

    前編では、
    借地権とはそもそも何か、そしてなぜ相続の場面で地主とのトラブルが起きやすいのかを、
    実例をもとに整理します。


    ■ケース:実家を相続したら地主から連絡が来た

    被相続人は父。
    相続人は長男Aさん一人です。

    父は長年、他人の土地を借りて家を建て、
    いわゆる借地権付き建物として暮らしていました。

    父の死亡後、Aさんは当然のように
    「家も土地も自分が相続した」
    と考えていましたが、数か月後、地主から連絡が入ります。

    「相続は構いませんが、
    建て替えや売却をするなら承諾が必要です。
    条件について話し合いましょう」

    Aさんは初めて、
    “土地は自分のものではない”
    という現実に直面しました。


    ■借地権とは何か

    借地権とは、
    他人の土地を借りて、その上に建物を所有する権利です。

    建物は借地人(相続人)のものですが、
    土地の所有権は地主にあります。

    この「建物は自分のもの、土地は他人のもの」という構造が、
    相続の場面で大きな誤解を生みやすくします。


    ■相続自体に地主の承諾は必要?

    ここで重要なポイントがあります。

    借地権は相続によって当然に承継されるため、
    相続そのものに地主の承諾は不要
    です。

    つまり、
    「相続すること自体を拒否される」
    ということは、原則としてありません。

    しかし、
    多くのトラブルはこの先で起こります。


    ■なぜ地主と揉めやすいのか

    問題になりやすいのは、
    以下のような場面です。

    ・建物を建て替えたい
    ・第三者に売却したい
    ・借地権を譲渡したい
    ・地代や更新条件を見直したい

    これらは、
    地主の承諾が必要になる行為です。

    相続人が
    「相続したのだから自由にできる」
    と考えて行動すると、
    地主との認識のズレが一気に表面化します。


    ■契約内容を知らないまま相続しているケースも多い

    実務では、
    借地契約書を見たことがないまま相続しているケースも珍しくありません。

    ・旧借地法か、新借地借家法か
    ・更新条件はどうなっているか
    ・承諾料の定めはあるか

    これらを確認しないまま話を進めると、
    交渉は不利になりがちです。


    ■前編まとめ

    ・借地権付き建物は「建物は自分、土地は他人」の構造
    ・相続自体に地主の承諾は原則不要
    ・建て替えや売却などで地主との対立が起きやすい
    ・契約内容を知らないまま相続しているケースが多い

    次回(中編)では、
    地主の承諾が必要になる具体的なケースと、
    承諾料・条件交渉の考え方
    を解説します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 借地権の有無・契約内容の整理
    • 借地契約書の確認とリスク分析
    • 借地権付き建物の相続に関する初期整理
    • 地主との関係性を踏まえた対応方針の検討
    • 弁護士・司法書士と連携した実務サポート

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