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    「実家は父名義のままだけど、特に困っていないし…」
    相続の相談現場で、長年よく聞かれてきた言葉です。

    しかし2024年、ついに状況は大きく変わりました。
    相続登記の義務化により、「名義をそのままにしておく」という選択肢は、原則として許されなくなったのです。

    前編では、相続登記義務化とは何か、そしてなぜ今になって問題が顕在化しているのかを、ケースを通して整理します。


    ■ケース:何代も名義を変えていなかった実家

    被相続人は祖父。
    実家の土地・建物は、祖父名義のまま30年以上相続登記がされていませんでした。

    父の代では、
    「兄弟でもめていないし、使っているのは自分たちだから問題ない」
    と考え、そのまま放置。

    ところが父が亡くなり、相続人が子世代に移ったことで事態が一変します。

    市役所から届いたのは、
    「相続登記を行ってください」という通知。
    初めて家族は、“放置していた名義”が問題になることを知りました。


    ■相続登記義務化とは何か?

    相続登記義務化とは、
    不動産を相続した場合、一定期間内に名義変更(相続登記)を行うことを法律上の義務とした制度です。

    正当な理由なく登記をしない場合、
    過料(罰金)の対象になる可能性があります。

    これまで相続登記は「努力義務」に近く、
    実務上は放置されがちでした。
    その結果、日本中で「誰のものか分からない土地」が大量に発生したのです。


    ■「名義を変えていない」ことで起きる現実的な問題

    相続登記をしないまま放置すると、
    次のような問題が連鎖的に発生します。

    • 相続人が増え、話し合いが困難になる
    • 売却・担保設定・建替えができない
    • 固定資産税の負担だけが続く
    • 将来、相続関係の整理に膨大な手間がかかる

    特に怖いのは、
    「今は困っていない」が、次の世代で一気に破綻する点です。


    ■なぜ国は今、義務化に踏み切ったのか

    背景にあるのが、
    いわゆる「所有者不明土地問題」です。

    相続登記がされないまま、
    相続 → 放置 → さらに相続
    を繰り返した結果、
    公共事業や防災対策すら進められない土地が急増しました。

    そこで国は、
    「相続の時点で整理する仕組み」に舵を切ったのです。


    ■前編まとめ

    ・相続登記は「やってもいい」から「やらなければならない」手続きに変わった
    ・名義放置は、次の世代で深刻な問題を引き起こす
    ・相続登記義務化は、所有者不明土地問題への対策
    ・「困ってから」ではなく「相続した時点」での対応が重要

    次回(中編)では、
    **相続登記義務化の具体的な内容(期限・対象・罰則)**と、
    「いつまでに、何をすべきか」を詳しく解説します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 相続登記義務化に関する全体整理・影響説明
    • 相続関係(戸籍)の調査・整理
    • 相続登記に向けた事前準備・資料整理
    • 司法書士との連携による相続登記サポート
    • 将来の相続を見据えた名義整理のご提案

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