• 相続専門!国際関係業務にも強い!21年間の行政経験を踏まえて、皆様をサポートします!

    「兄は日本国籍だけど、妹は結婚してアメリカ国籍。
    この場合もふつうに相続できるんですよね?」

    実務では、相続人の一部が外国籍・海外在住というケースが増えています。
    ところが、戸籍や住民票が“当たり前にある”日本人だけの相続と違い、
    思いのほか手続きが進まず、金融機関や法務局で立ち止まってしまうことがあります。


    ■ケース:カナダ在住の妹が相続人に

    被相続人は母Mさん。
    相続人は、長男Aさん(日本在住・日本国籍)と、
    カナダに永住している長女Bさん(カナダ国籍を取得、日本国籍は喪失)の2人です。

    Mさんの預金解約と自宅不動産の名義変更を進めようとしたところ、
    金融機関の担当者からこう言われました。

    「お嬢さんが日本国籍を失っているなら、
    その方が“相続人本人であること”を証明する書類が必要です。」

    Aさんは戸籍謄本一式を揃えているつもりでしたが、
    そこにはすでに「Bさんの除籍」としか書かれておらず、
    “今のBさん”につながる公的書類がありません。


    ■なぜ「外国籍の相続人」がいると止まりやすいのか

    ポイントはシンプルで、
    ①相続人であることの証明
    ②本人確認の証明が、日本人相続人よりもずっと複雑になるからです。

    日本人同士であれば、

    • 戸籍(出生から死亡までの連続した戸籍)
    • 住民票
    • マイナンバーカードや運転免許証

    などで、
    「誰が相続人か」「その人が本人か」をほぼ完結できます。

    一方、外国籍・海外在住の相続人の場合、

    • そもそも日本の戸籍に載っていない/途中で除籍されている
    • 現在の国籍・住所・氏名を示すのは外国の公的書類
    • それらを日本の役所・金融機関が読めない(翻訳・認証が必要)

    といった理由から、
    “日本側の書類”と“外国側の書類”を橋渡しする作業が必要になります。


    ■よくある「誤解」と「つまずきポイント」

    相談で多いのが次のような誤解です。

    • 「戸籍に“子”として載っていたのだから、そのまま相続人と分かるはず」
    • 「パスポートのコピーを送ってもらえば足りるだろう」
    • 「海外の戸籍みたいなものを1枚もらえば終わりでは?」

    しかし実務上は、

    • 日本国籍喪失後の身分関係(婚姻・離婚・子どもなど)
    • 現在の氏名(結婚による改姓など)
    • 本人が署名した遺産分割協議書の真正性

    を確認するため、
    **複数の書類+翻訳+場合によっては認証(アポスティーユなど)**が求められます。

    その結果、
    「海外在住の兄弟から書類がなかなか届かない」
    「何を集めればよいか分からず、相手国の役所とのやり取りで疲弊する」
    という状態になり、相続全体が何ヶ月も止まることがあります。


    ■前編のまとめ

    ・相続人に外国籍・海外在住の人がいると、
     “相続人であること”と“本人であること”の証明が二重に難しくなる
    ・日本の戸籍だけではつながらず、
     外国の公的書類+翻訳+認証が必要になることが多い
    ・必要書類が分からないまま動くと、金融機関や法務局で差し戻しとなり、
     相続手続きが長期化しやすい

    次回(第14話②・中編)では、
    具体的に どのような書類を集めるのか/海外在住の相続人とどう連携するか を、
    ケースに沿って整理していきます。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 相続人調査・戸籍収集、法定相続情報一覧図の作成
    • 外国籍・海外在住の相続人がいるケースの手続き設計
    • 必要となる外国公文書・証明書の整理と案内
    • 翻訳・認証(アポスティーユ等)の流れのご説明
    • 金融機関・法務局への提出書類のチェック
    • 必要に応じた司法書士・弁護士・海外の専門家との連携

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です