中編で、専門家の説明を受けたことで、兄弟Bさん・Cさんの態度は徐々に変化しました。
「長男の嫁だから当然」「相続は関係ない」といった冷たい雰囲気から、
「確かに母の生活はMさんの支えなくして成り立たなかった」という理解へ。
しかし、遺産分割協議の結論は、必ずしもMさんの希望通りにはいきませんでした。
・Mさん個人の寄与分 → 認められない
・長男Aさんの間接的寄与としての主張 → 一部考慮
という“折衷案”に落ち着いたのです。
具体的には、兄弟3人の法定相続分は維持しつつ、
「話し合いによる調整」として、預貯金の一部を長男に多く配分する形となりました。
これはあくまで「寄与分としての法的認定」ではなく、
家族の話し合いによる“実質的な配慮” に過ぎません。
決着の直前、Mさんはこう語りました。
「法律で報われないのは悔しい。でも、
あなたたちが私のことを認めてくれたなら、それでいい。」
これに対しBさんは、静かに頭を下げました。
「本当に世話になった。
母は、Mさんがいたから最後まで家で過ごせたんだと思う。」
感情の溝が埋まったことは、相続割合以上に大きな意味を持ちました。
相続は“お金”だけではなく、“家族の気持ち”が深く関わる場面であることを象徴しています。
今回のケースを振り返ると、次の点が明らかになります。
長男の嫁は相続人ではないため、寄与分は主張できません。
長男の嫁が義父母の介護を担う家庭は多いものの、
制度上は“無償の家事労働”扱いになりがちです。
介護の頻度、支出、兄弟との負担差など、
裏付けがなければ主張が難しくなります。
今回のように、
「嫁の貢献」が争いの火種にならないためには、
義母・義父が元気なうちからの準備が重要です。
「長男家への配慮」を明確に示すことで争いを防止。
介護・財産管理の負担と権限を整理できます。
いざという時、説明資料として大きな力を発揮。
関係性が強固な家庭では争族は驚くほど少なくなります。
・嫁・長男・兄弟間の貢献整理と法的評価のアドバイス
・間接寄与分として主張するための資料作成・根拠整理
・遺産分割協議書・説明資料の作成
・遺言書・家族信託・任意後見など生前対策の設計
・相続トラブル予防の家族会議サポート
・司法書士・税理士・弁護士との連携によるワンストップ支援