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    ■はじめに

    現代の家族の形は、かつてよりずっと多様になっています。
    離婚・再婚・事実婚——。
    こうした家庭の変化がある中で、「誰が相続人になるのか」「どこまで権利が及ぶのか」は、ときに非常に複雑になります。

    特に、「後妻と前妻の子」が関わる相続では、感情のすれ違いと法的な整理の難しさが重なり、深刻なトラブルに発展するケースが少なくありません。
    今回は、その典型例を3回シリーズで取り上げます。

    ■登場人物と背景

    今回の主人公は、会社員だったFさん(男性・70歳)とその家族。
    Fさんは20代の頃に前妻との間に息子Gさん、娘Hさんをもうけましたが、40代で離婚。
    その後、50代で再婚し、後妻Iさんと新たな家庭を築きます。
    Iさんには連れ子Jさん(成人済み)がいましたが、Fさんとは養子縁組をしていませんでした。

    Fさんは「今の妻を支えたい」「前の子どもたちとも仲良くしたい」と願っていましたが、
    再婚後は前妻の子たちとの交流が次第に減っていきました。
    それでも、心の中では「いつか一緒に集まって食事をしたい」という想いを持ち続けていたそうです。

    ■相続のきっかけ

    Fさんが70歳を過ぎたある日、急な心筋梗塞で急逝します。
    残されたのは、後妻Iさんと前妻の子どもGさん・Hさん。
    Iさんは悲しみに暮れる中で、銀行や保険会社などの手続きを始めようとしましたが、
    そこで初めて「前妻の子にも相続権がある」という現実を突きつけられます。

    銀行担当者に言われた言葉は衝撃的でした。

    「ご主人の法定相続人は、奥さまと、前妻とのお子さんお二人になります。」

    Iさんは「もう何十年も会っていない子どもたちに、なぜ?」と戸惑い、
    一方でGさん・Hさんは「父の財産を後妻に全部持っていかれるのでは」と不安を募らせます。

    こうして、F家の“静かな争族”が始まりました。

    ■「後妻」と「前妻の子」それぞれの立場

    Iさんにとって、夫Fさんの遺産は「これからの生活を守るための資産」。
    一方、Gさん・Hさんにとっては、「父の愛情の証」でもあります。
    どちらも悪意がないのに、立場の違いがすれ違いを生みます。

    さらにややこしいのは、後妻Iさんの連れ子Jさん。
    一緒に暮らしてきた家族なのに、法律上は相続人ではない——。
    Jさんも複雑な気持ちを抱えながら、静かに見守るしかありませんでした。

    ■まとめ

    相続の場面では、「家族の感情」と「法のルール」が交差します。
    特に再婚家庭では、「誰が相続人になるのか」「どこまで権利があるのか」を、
    生前にきちんと整理しておくことが大切です。

    次回(第6話②・中編)では、
    遺産分割協議の中で起きた“対立”と、“法律上の相続関係”を具体的に解説します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・再婚家庭・複雑な家族関係における相続権の整理
    ・遺言書による「家族間の調整」サポート
    ・相続人関係説明図・戸籍調査の代行
    ・公平な遺産分割のための事前アドバイス
    ・司法書士・税理士との連携による総合支援


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