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    前編では、遺言信託は名称から誤解されやすく、一般に金融機関がいう遺言信託は、民事信託のように財産そのものを柔軟に管理する仕組みとは限らず、遺言書の作成支援、保管、遺言執行に関するサービスとして理解した方が実態に近いことを見てきました。

    では、実際にはどのような場面で「思っていたほど自由に動かない」と感じやすいのでしょうか。中編では、遺言信託をめぐる実務上の注意点を整理します。


    ■できることが限定されている場面がある

    遺言信託に期待しすぎると、まずつまずきやすいのが「対応範囲」の問題です。

    利用する側としては、相続が始まった後の財産整理や相続人間の調整まで、かなり広く対応してもらえるような印象を持つことがあります。

    しかし、実際には契約内容や金融機関の業務範囲に応じて、できることとできないことが分かれています。

    たとえば、遺言執行のための事務は行っても、相続人同士の感情的対立の調整までは担わない、個別具体的な紛争対応まではしない、といったことがあります。

    ここを理解しないまま契約すると、相続開始後に「そこまではやってくれないのか」と感じやすくなります。


    ■遺言の内容次第ではスムーズに進まないこともある

    遺言信託を利用していても、遺言の内容そのものが複雑であったり、相続人の理解を得にくかったりすれば、手続が思うように進まないことがあります。

    たとえば、特定の相続人に偏った内容、遺留分への配慮が乏しい内容、不動産の分け方があいまいな内容であれば、遺言執行が始まった後に不満や対立が表面化しやすくなります。

    つまり、遺言信託を使っていること自体が、遺言内容の弱点をなくしてくれるわけではありません。

    どれほど執行の仕組みが整っていても、肝心の遺言が家族関係や財産状況に合っていなければ、現場では止まりやすくなります。


    ■金融機関のペースと家族の期待がずれることがある

    実務上もう一つ見落とされやすいのが、金融機関の事務処理の進め方と、家族の期待との間にズレが生じることです。

    相続人としては、死亡後すぐに柔軟に動いてもらえると期待することがあります。

    ですが、実際には、必要書類の確認、内部手続、財産の把握、執行対象の確認などを順に進めるため、一定の時間がかかることがあります。

    家族からすると
    「もっと早く進むと思っていた」
    「個別事情にもっと踏み込んでくれると思っていた」
    と感じることがありますが、金融機関はあくまで定型的・事務的な処理を基本とする以上、そこに限界があります。


    ■中編まとめ

    ・遺言信託には対応範囲の限界がある
    ・相続人間の感情的対立まで解消してくれるわけではない
    ・遺言内容そのものに問題があれば手続は止まりやすい
    ・金融機関の事務処理と家族の期待にズレが生じることがある

    遺言信託が「思い通りに動かない」と感じられるのは、仕組み自体が悪いというより、利用者の期待と実際の役割にズレがあるからです。

    次回の後編では、こうしたズレを防ぐために、遺言信託を検討する際にどのような点を見極めるべきかを整理します。


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