相続手続きでは、亡くなった方の預貯金、不動産、自動車、株式などを確認し、遺産分割協議書を作成します。
金融機関の手続きや名義変更が終わると、一段落したと感じることがあります。
しかし、実務では、相続手続きが進んだ後になって、亡くなった方宛ての借金や未払金の請求書が届くことがあります。
例えば、カードローン、クレジットカードの未払金、医療費、施設費、税金、事業上の借入れなどです。
前編では、その場合にまず確認したい基本を整理します。
■すぐに支払う前に内容を確認する
亡くなった方宛ての請求書が届いた場合、まず大切なのは、すぐに支払う前に内容を確認することです。
請求書に書かれている金額だけを見て、慌てて支払ってしまうと、後から整理が難しくなることがあります。
まずは、誰からの請求なのか。
何の契約や利用に基づく請求なのか。
請求先は亡くなった方本人なのか、相続人宛てなのか。
元本、利息、遅延損害金などの内訳はどうなっているのか。
支払期限はいつなのか。
こうした点を確認します。
内容が分からない場合は、請求先に連絡し、契約内容や残高、請求の根拠となる資料を確認する必要があります。
■本当に亡くなった方の債務かを確認する
請求書が届いたからといって、それが直ちに亡くなった方の債務として確定しているとは限りません。
亡くなった方本人の借入れなのか。
家族カードや保証債務が関係しているのか。
事業上の取引なのか。
すでに支払い済みのものが行き違いで請求されているのか。
確認すべき点はいくつもあります。
通帳の引き落とし、契約書、利用明細、過去の郵便物、施設や病院の請求書などを確認し、請求内容と照合することが大切です。
特に金額が大きい場合や、内容に心当たりがない場合は、相続人だけで判断せず、専門家に確認した方がよいことがあります。
■遺産分割が終わっていても注意が必要
相続人同士で遺産分割協議が終わっていたとしても、後から借金の請求が届くことがあります。
遺産分割協議書で預貯金や不動産の取得者を決めたとしても、それだけで債権者との関係がすべて整理されるとは限りません。
亡くなった方の債務については、相続人間の合意と、債権者との関係を分けて考える必要があります。
そのため、請求書が届いた場合は、誰がどのように負担するのかを相続人間で改めて確認する場面が出てくることがあります。
■前編まとめ
相続手続き後に借金や未払金の請求書が届いた場合、まずは慌てて支払うのではなく、請求内容を確認することが大切です。
誰からの請求なのか、何に基づく請求なのか、本当に亡くなった方の債務なのかを整理します。
また、遺産分割協議が終わっていても、後から届いた請求について、相続人間で負担方法を確認する必要が出ることがあります。
次回の中編では、請求書が届いた場合に、相続人間でどのように情報共有し、負担を整理するかについてお伝えします。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続財産、債務、未払金の整理支援
・請求書、契約書、通帳記録等の確認支援
・相続人間の費用負担、精算内容の整理支援
・遺産分割協議書、確認書等の作成支援
・相続人調査、相続関係説明図の作成
・必要に応じた司法書士、税理士、弁護士等との連携