【相続コラム392:相続手続きの現場編(第36話①)】亡くなった方に保証債務があった場合、相続人はどこまで確認すべきか(前編)
相続手続きでは、亡くなった方の預貯金、不動産、自動車などの財産を確認します。
同時に、借入金やローンなどの債務がないかも確認します。
その中でも、実務上分かりにくいものの一つが、保証債務です。
保証債務とは、簡単にいえば、他の人や会社の借入れなどについて、本人が返済できない場合に代わって責任を負う立場にある債務です。
亡くなった方自身がお金を借りていたわけではなくても、誰かの借入れについて保証人や連帯保証人になっていることがあります。
前編では、亡くなった方に保証債務があった場合、相続人としてまず何を確認すべきかを整理します。
■保証債務は見つかりにくい
通常の借入金であれば、通帳の引き落とし、返済予定表、金融機関からの通知などで気づくことがあります。
しかし、保証債務は、亡くなった方本人が毎月返済しているとは限りません。
主たる債務者が返済を続けている間は、保証人に請求が来ないこともあります。
そのため、相続開始時点では、相続人の方が保証債務の存在に気づかないことがあります。
後になって、金融機関や債権者から通知が届き、初めて保証人になっていたことが分かる場合もあります。
保証債務は、表に出にくい債務であるという点に注意が必要です。
■どのような保証なのかを確認する
保証債務が疑われる場合、まず確認したいのは、どのような保証なのかという点です。
保証人なのか、連帯保証人なのか。
誰の借入れについて保証していたのか。
借入先はどこか。
現在の残高はいくらか。
返済は正常に続いているのか。
担保が付いているのか。
契約書、保証契約書、金融機関からの通知、会社関係の資料などを確認しながら、内容を整理する必要があります。
特に、亡くなった方が会社経営に関わっていた場合や、親族の事業資金の保証人になっていた場合には注意が必要です。
■相続人がすぐに判断しない方がよい場合もある
保証債務があると分かった場合、相続人としては不安になります。
「すぐに払わなければならないのか」
「相続人全員が責任を負うのか」
「相続放棄を考えた方がよいのか」
といった問題が出てきます。
ただし、保証債務の内容が十分に分からないまま判断すると、かえって危険なことがあります。
主たる債務者の返済状況、残高、保証の範囲、相続財産全体の内容によって、対応は変わります。
まずは資料を集め、債権者や専門家に確認しながら、全体像を把握することが大切です。
■前編まとめ
保証債務は、亡くなった方自身の借入金と違い、相続人がすぐに把握しにくい債務です。
本人が毎月返済していないため、通帳や家族の記憶だけでは見落とされることがあります。
保証人、連帯保証人、事業資金の保証、会社関係の借入れなどが関係する場合は、契約書や通知書、会社資料などを確認し、保証の内容を整理する必要があります。
次回の中編では、保証債務が見つかった場合に、相続人が確認すべき具体的な資料や手続きの流れについてお伝えします。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続財産、債務、保証関係の整理支援
・金融機関、債権者への確認事項の整理
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・必要に応じた司法書士、税理士、弁護士等との連携