前編では、亡くなった方にローンがあった場合、遺産分割協議書に「誰が負担する」と書けばすべて解決するとは限らないとお伝えしました。
中編では、住宅ローン、カードローン、事業資金の借入れなど、ローンの種類ごとに確認すべき内容を整理しました。
後編では、ローンがある場合に、相続人間でどのように確認し、書面として整理していくかを考えます。
■まず債務の内容を一覧にする
ローンや借入金がある場合、最初に行いたいのは、債務の内容を一覧にして整理することです。
借入先、契約内容、残高、返済状況、毎月の返済額、保証人や連帯債務者の有無、担保の有無などを確認します。
住宅ローンであれば、団信によって返済されるのか、残債が残るのか。
カードローンであれば、未払金や利息、遅延損害金があるのか。
事業資金であれば、会社や保証人との関係も確認が必要です。
相続人同士で負担者を決める前に、まずは債務の全体像を把握することが大切です。
■遺産分割協議書に書く内容は慎重に考える
相続人の間で、「このローンは長男が負担する」「この借入金は預金を取得する人が返済する」と決めることがあります。
その内容を遺産分割協議書に記載する場合もあります。
ただし、その記載が金融機関などの債権者に当然に通用するわけではありません。
相続人間では有効な合意であっても、債権者との関係では別に確認が必要になることがあります。
そのため、遺産分割協議書には、相続財産の取得内容とあわせて、債務について相続人間でどのように認識し、内部的に負担するかを整理して記載することになります。
書き方によっては誤解を招くこともあるため、表現は慎重に検討する必要があります。
■別の確認書や覚書で整理する方法もある
ローンや費用負担の内容が複雑な場合、遺産分割協議書とは別に、相続人間の確認書や覚書を作成する方法もあります。
例えば、各相続人が債務の存在を認識していること。
金融機関との関係では、別途手続きや確認が必要になること。
相続人間では、誰がどの範囲で返済を負担するのか。
立替払いがある場合に、どのように精算するのか。
こうした内容を整理しておくことで、後日の認識違いを防ぎやすくなります。
遺産分割協議書にすべてを詰め込むより、別紙や確認書で整理した方が分かりやすい場合もあります。
■後編まとめ
亡くなった方にローンがあった場合、相続人同士で話し合うだけでなく、借入先や契約内容、残高、保証人、担保、団信の有無などを確認する必要があります。
遺産分割協議書に債務の負担者を書く場合でも、それが債権者に当然に通用するとは限りません。
相続人間の内部的な合意と、金融機関など債権者との関係は分けて考えることが大切です。
必要に応じて、遺産分割協議書とは別に確認書や覚書を作成し、債務の存在、負担方法、精算方法を整理しておくと、後のトラブル防止につながります。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続財産、借入金等の整理支援
・金融機関への確認事項の整理
・遺産分割協議書作成支援
・相続人間の負担整理に関する書面作成支援
・相続人調査、相続関係説明図の作成
・必要に応じた司法書士、税理士、弁護士等との連携