相続手続きでは、相続人全員で遺産の分け方を決めた内容を、遺産分割協議書として作成することがあります。
その際に多いご相談が、
「どの財産を協議書に載せればよいのか」
「全部書いた方がよいのか」
「逆に、書かなくてもよいものはあるのか」
という点です。
遺産分割協議書は、相続財産を誰が取得するのかを明確にするための大切な書類です。
ただし、亡くなった方に関係するものを何でも載せればよい、というわけではありません。
前編では、遺産分割協議書に載せる財産、載せない財産を考えるときの基本を整理します。
■まず「遺産分割の対象か」を確認する
遺産分割協議書に載せるかどうかを考える前に、その財産が遺産分割の対象になるものかを確認する必要があります。
典型的には、亡くなった方名義の預貯金、不動産、自動車、株式、出資金、未収金などです。
これらは、相続人の間で誰が取得するのかを決めるため、遺産分割協議書に記載することが多い財産です。
一方で、亡くなった方に関係するお金であっても、遺産分割協議書へ載せるとは限りません。
例えば、死亡保険金のように受取人が指定されているものは、受取人固有の財産として扱われることがあります。
つまり、「亡くなった方に関係するお金」と「遺産分割の対象になる財産」は別問題です。
■手続き先で必要になる財産は載せる
遺産分割協議書は、相続人同士の確認書であり、金融機関や法務局などの手続き先に提出する書類にもなります。
そのため、金融機関の預貯金解約、不動産の相続登記、自動車の名義変更などで必要になる財産は、特定できる形で記載します。
預貯金であれば、金融機関名、支店名、口座種別、口座番号。
不動産であれば、登記簿上の所在、地番、家屋番号など。
手続き先が確認できるように書くことが大切です。
単に「預金一式」「不動産一式」と書くだけでは、手続き先で確認が必要になる場合があります。
■載せない方がよいものもある
一方で、遺産分割協議書に何でも書き込むと、かえって分かりにくくなることがあります。
葬儀費用、香典、香典返し、相続開始後の固定資産税や光熱費などは、遺産分割そのものとは性質が異なることがあります。
もちろん、相続人間で精算が必要になる場合はあります。
しかし、それを遺産分割協議書の中にどう書くかは、慎重に考える必要があります。
遺産分割協議書は、あくまで「相続財産を誰が取得するか」を整理する書類です。
相続人間の費用精算や事後の支払いまで、すべて同じ書類に入れればよいとは限りません。
■前編まとめ
遺産分割協議書に載せる財産を考えるときは、まず遺産分割の対象になる財産かどうかを確認が大切です。
亡くなった方名義の預貯金、不動産、自動車、株式などは、手続きに必要な範囲で記載します。
一方で、死亡保険金、葬儀費用、香典、相続開始後の費用などは、遺産分割の対象財産とは分けて考える必要があります。
次回の中編では、遺産分割協議書に載せる財産で、実務上つまずきやすい具体例を整理します。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・相続財産整理、財産目録作成支援
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・相続人調査、相続関係説明図の作成
・必要に応じた司法書士、税理士、弁護士等との連携