前編では、転籍が多い方の相続では、本籍地が変わるたびに戸籍の請求先も変わり、戸籍収集が大変になりやすいことをお伝えしました。
中編では、一通取るまで次の請求先が分からないこと、自治体ごとの請求準備や古い地名の確認が必要になることを整理しました。
後編では、転籍が多い相続で戸籍収集を遠回りさせないために、どのように整理して進めるのかをお伝えします。
■まずは本籍地の変遷を整理する
転籍が多い方の戸籍収集では、取得した戸籍をただ保管するだけでは足りません。
どの時期に、どこの本籍地にいたのかを整理することが重要です。
例えば、
・死亡時の本籍地
・その前の本籍地
・さらに前の本籍地
・転籍日
・各自治体への請求状況
を一覧にしておくと、どこまで確認できているのかが分かりやすくなります。
戸籍が増えてくると、頭の中だけで流れを追うのは難しくなります。
また、一覧にしておくことで、ご家族や関係先に「どこまで確認できていて、何が未確認なのか」を説明しやすくなります。
転籍が多い場合ほど、戸籍を集める作業と、全体の流れを整理する作業を分けて考える必要があります。
■届いた戸籍を読んでから次に進む
転籍が多い相続では、焦って複数の自治体へ見込みで請求したくなることがあります。
しかし、届いた戸籍の記載を確認してから次に進む方が確実な場面もあります。
転籍日、本籍地、改製日、除籍の理由などを確認し、その記載から次の請求先を判断します。
この確認を飛ばすと、不要な請求をしたり、逆に必要な一通を見落としたりすることがあります。
相続手続きでは、早く進めることも大切ですが、入口を間違えないことも大切です。
特に転籍が多い方の場合、一つの見落としが、その後の戸籍収集全体の遠回りにつながることがあります。
■「どこまでそろったか」を説明できる状態にする
戸籍収集で大切なのは、最終的に「これで出生から死亡までつながっています」と説明できる状態にすることです。
戸籍の枚数が多いから安心、というわけではありません。
死亡時の戸籍から順番に遡り、転籍前後の戸籍がつながっているか。
途中に空白の期間がないか。
さらに前の戸籍を請求する必要がないか。
こうした確認を積み重ねることで、相続人調査の土台が整います。
ご家族としては、戸籍収集は書類を集めるだけの作業に見えるかもしれません。
しかし実務では、「集める」「読む」「整理する」「つなげる」という複数の作業が重なっています。
■後編まとめ
転籍が多い方の相続では、本籍地の変遷を整理し、届いた戸籍を読んでから次の請求先を判断することが大切です。
戸籍を何通集めたかではなく、出生から死亡までの流れを説明できるかどうか。
ここが相続人調査では重要になります。
転籍が多いと、戸籍収集はどうしても手間がかかります。
だからこそ、全体の流れを見失わないように整理しながら進めることが、相続手続きを遠回りさせないための大切なポイントです。
■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること
・戸籍収集など相続手続きの初動支援
・転籍が多い方の戸籍収集、請求先整理
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