前編では、戸籍収集は最後の戸籍から一つ前、そのまた一つ前へと遡ることが基本であることをお伝えしました。
中編では、途中の戸籍が一通抜けるだけで、出生から死亡までの流れがつながらなく見えることがあると整理しました。
後編では、戸籍収集をできるだけ遠回りさせないために、実務ではどのように整理しながら進めるのかをお伝えします。
役所から届いた戸籍を、そのまま封筒に入れたまま保管していると、次に何を確認すべきか分からなくなることがあります。
実務では、取得した戸籍を年代順に並べ、被相続人がどの戸籍からどの戸籍へ移ったのかを確認していきます。
例えば、
・死亡時の戸籍
・その前の改製原戸籍
・転籍前の除籍
・婚姻前の戸籍
というように、現在から過去へ流れを整理します。
大切なのは、何通取得したかではありません。
「この戸籍の前はどれか」「この戸籍の次はどれか」を説明できる状態にすることです。
戸籍収集では、最初から全ての請求先を一覧にできるとは限りません。
一通取得した戸籍を確認し、
「○年○月○日に○○市から転籍」
「○年○月○日に婚姻により入籍」
といった記載を手掛かりに、次の請求先を決めることがあります。
そのため、実務では「まず10か所の役所に一斉請求」というよりも、戸籍の記載を確認しながら順番に進める方が確実な場合があります。
一見すると時間がかかるように見えます。
しかし、誤った自治体への請求や、不要な戸籍の取得、再請求を減らすことができれば、結果として手続き全体の遠回りを防ぐことにつながります。
実務では、「請求中」「取得済み」「次の請求先を確認中」など、現在の状況を整理しておくことも大切です。戸籍が増えるほど、頭の中だけで管理するのは難しくなります。
ご家族で戸籍を分担して集める場合にも注意が必要です。
「私は札幌市を取ります」
「私は小樽市を取ります」
と分担すること自体は悪くありません。
ただ、全体の戸籍の流れを確認する人がいなければ、同じ戸籍を重複して請求したり、逆に必要な一通が抜けたりすることがあります。
戸籍収集では、個々の請求作業だけでなく、全体を見て「今どこまで遡れているのか」を整理する役割が重要です。
ここは、相続手続き全体にも共通します。
作業を進めることと、全体を管理することは別問題なのです。
戸籍収集を遠回りさせないためには、取得した戸籍を年代順に整理し、一通ずつ前後のつながりを確認することが大切です。
そして、戸籍の記載を読んでから次の請求先を決める。
相続の戸籍収集は、単なる書類集めではありません。
「どこまで確認できたのか」「次に何を取るのか」を整理し続ける作業です。
この段取りが、相続手続きをスムーズに進めるための大切な土台になります。
・戸籍収集など相続手続きの初動支援
・出生から死亡までの戸籍の確認、収集
・相続人調査、相続関係説明図の作成
・戸籍の年代整理、つながりや不足書類の確認
・遺産分割協議書作成支援
・必要に応じた司法書士、税理士、弁護士等との連携