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    相続手続きというと、まず思い浮かぶのは財産調査かもしれません。
    預貯金はどこにあるのか、不動産は何があるのか、保険や有価証券はあるのか。相続では、亡くなった方の財産を一つずつ確認していく必要があります。

    そのため、ご家族としても
    「相続で大変なのは財産を調べることだろう」
    と感じやすいところがあります。

    もちろん、財産調査は重要です。
    ただ、実務の現場では、財産の確認そのものよりも、その後の人の調整に時間と労力がかかることが少なくありません。

    誰が相続人なのかを整理する。
    どこまで情報を共有するのかを決める。
    誰に、どの順番で、何をお願いするのかを考える。
    相続人ごとの温度差や理解の差に配慮する。
    こうした作業は、書類の問題というより、人と人との関係を整える問題です。

    相続では、財産が多いから大変とは限りません。
    むしろ、財産の内容がある程度見えていても、相続人同士の連絡や説明、押印依頼、役割分担がかみ合わないことで、手続き全体が重くなることがあります。
    実務では、ここが整わないために、本来は進められるはずの案件が長引くことも珍しくありません。
    言い換えると、相続は「財産の把握」以上に、「人が動ける状態を作ること」が難しい場面があるのです。

    今回は前編として、相続手続きで一番大変なのは、財産調査そのものより、人の調整であることが多いのはなぜか、その基本的な構図を整理します。


    ■財産は調べれば見えてくるが、人の気持ちはすぐには見えない

    預金や不動産は、資料や記録を追えば少しずつ見えてきます。
    しかし、相続人が何を不安に思っているのか、どこで引っかかっているのか、どの程度まで理解しているのかは、書類だけでは分かりません。

    相続で難しいのは、財産の一覧を作ることだけでなく、相続人ごとの気持ちや状況に合わせて進める必要があることです。

    ■同じ説明でも、相手によって受け止め方が違う

    相続では、同じ内容を説明しても、相続人によって受け止め方が異なります。
    ある人はすぐ理解して動けても、別の人は不安を感じたり、慎重になったりします。

    そのため、実務では「正しい説明を一度した」だけでは足りず、相手ごとに伝え方や順番を整えることが求められます。
    この調整こそが、相続手続きの見えにくい難しさです。

    ■前編まとめ

    ・相続で大変なのは財産調査だけではない
    ・実務では、人の調整により大きな労力がかかることがある
    ・財産は資料で追えるが、人の気持ちや理解はすぐには見えない
    ・相続手続きでは、相手ごとの説明や配慮が重要になる

    相続手続きは、書類と財産の問題に見えて、実際には人と人との調整が大きな比重を占めることがあります。
    次回の中編では、現場で特に「人の調整」が重くなりやすい典型例を整理していきます。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

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