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    相続手続きを進めていると、
    「別の銀行ではこの書類で足りたのに、こちらでは追加が必要と言われた」
    という場面があります。

    ご家族としては、同じ被相続人の相続なのだから、必要書類も同じはずだと感じやすいところです。
    戸籍も同じ、遺産分割協議書も同じ、印鑑証明書も同じであれば、どの金融機関でも同じように進むと思いたくなるのは自然です。

    しかし実務では、銀行ごとに確認の仕方や内部の運用が少しずつ異なるため、同じ相続でも必要書類や求められる説明が変わることがあります。
    これが、相続人から見ると「なぜここだけ違うのか」という小さな混乱につながりやすいのです。

    しかも厄介なのは、一つ一つの違いは大きく見えないことです。
    だからこそ、対応する側は
    「すぐ済むだろう」
    と考えやすいのですが、複数の金融機関で違いが重なると、説明や書類確認の負担はじわじわ大きくなっていきます。

    今回は前編として、なぜ銀行ごとに相続書類が違って見えるのか、その基本的な構図を整理します。


    ■同じ相続でも、銀行はそれぞれ別に確認する

    相続人の立場では、一つの相続手続を複数の銀行で進めている感覚です。
    しかし銀行側から見ると、それぞれの金融機関が、自分のところの預金を誰に払い戻してよいかを個別に確認しています。

    そのため、戸籍や協議書が同じでも、どの点を重く見るか、どこまで補足を求めるかに差が出ることがあります。
    つまり、同じ相続でも、銀行ごとに審査の入口が別なのです。


    ■「必要書類が違う」というより「確認の仕方が違う」

    実務で起きているのは、全く別の制度があるというより、確認の深さや順序が違うことが多いです。

    ある銀行では協議書の記載で足りると判断されても、別の銀行では口座特定をより明確に求められることがあります。
    また、窓口では受け付けても、本部確認で追加資料を求められることもあります。

    このため、相続人には
    「銀行ごとに言うことが違う」
    と見えやすくなります。


    ■小さな違いが手続全体を重くする

    一つ一つは小さな違いでも、複数の銀行で対応が分かれると、相続人の負担は増えます。
    どこに何を出したか、どの銀行で何が追加になったかを整理しておかないと、混乱しやすくなります。

    相続で大きな争いがなくても、こうした細かな違いの積み重ねが、実務上の重さになります。


    ■前編まとめ

    ・同じ相続でも、銀行はそれぞれ個別に確認している
    ・必要書類の差というより、確認の仕方の差であることが多い
    ・窓口と本部確認で追加資料が出ることもある
    ・小さな違いの積み重ねが相続人の負担を大きくする

    銀行ごとに相続書類が違って見えるのは、相続人が間違っているからではなく、金融機関ごとに確認の仕方が少しずつ異なるからです。
    次回の中編では、現場で実際にどのような違いが起こりやすいのか、典型例を整理していきます。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・戸籍収集など相続手続きの初動支援
    ・相続人調査、相続関係説明図の作成
    ・金融機関ごとの必要書類整理支援
    ・遺産分割協議書作成支援
    ・必要に応じた司法書士、税理士等との連携


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