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    前編では、相続人は家族の感覚ではなく戸籍で確認する必要があり、知らなかった相続人が判明すると、それまでの手続の前提が崩れることがあると整理しました。

    中編では、前婚の子、認知した子、甥姪の代襲相続、数次相続など、現場で起こりやすい典型例を見てきました。

    では、実際に想定外の相続人が判明したら、どのように整理し直すべきでしょうか。

    後編では、実務上の進め方を整理します。


    ■まずは従前の前提で進めるのを止める

    知らなかった相続人が判明した場合、最初に大切なのは、今までの前提で進めていた話をいったん止めることです。

    既に遺産分割協議書の案を作っていたとしても、そのまま進めるのは危険です。
    相続人全員が確定していない状態では、金融機関の払戻しや相続登記でも止まりやすくなります。
    「ここまで進めたから」と急がず、一度立ち止まることが、結果として手戻りを減らします。


    ■戸籍と関係図を作り直して全体像を見える化する

    次に必要なのは、戸籍をもとに相続関係を整理し直すことです。
    誰が相続人で、どこで代襲や数次相続が入っているのかを、相続関係説明図などで見える形にしておくと、今後の説明や書類作成が進めやすくなります。

    大切なのは、単に「一人増えた」と捉えるのではなく、相続人の構成全体がどう変わったかを見ることです。
    ここが曖昧なままだと、後で再び同じ混乱が起こりやすくなります。


    ■判明した相続人への連絡は丁寧に行う

    新たに判明した相続人は、それまでの経緯を知らないことが通常です。
    そのため、突然書類だけを送るのではなく、誰が亡くなったのか、なぜ連絡しているのか、今どの段階なのかを、客観的かつ丁寧に伝えることが重要です。

    最初の連絡が強引だったり説明不足だったりすると、内容以前に不信感を持たれやすくなります。
    相続では、法律上の正しさだけでなく、最初の伝え方もその後の進み方に影響します。


    ■他の相続人にも事実を共有し、段取りを組み直す

    知らなかった相続人が出てくると、今まで動いていた家族ほど動揺しやすくなります。
    そのため、戸籍で判明した事実、今後見直すべき点、どの書類を作り直す必要があるのかを、他の相続人にも整理して共有しておくことが大切です。

    相続で混乱が大きくなるのは、新たな相続人が出てきたことそのものより、その後の情報共有が曖昧なまま進むときです。
    前提の修正を関係者全体で共有できるかが、実務上の分かれ道になります。


    ■後編まとめ

    ・想定外の相続人が判明したら、まず従前の前提で進めるのを止める
    ・戸籍と相続関係説明図で全体像を整理し直すべきである
    ・新たな相続人への連絡は、丁寧かつ客観的に行うことが重要
    ・他の相続人にも事実と今後の段取りを共有する必要がある

    知らなかった相続人が出てきたときに大切なのは、慌てて押し切ることではなく、相続人の全体像を整理し直し、前提を立て直すことです。相続は、最初の見込み違いを早い段階で修正できるかどうかで、その後の負担が大きく変わります。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・戸籍収集など相続手続きの初動支援
    ・相続人調査、相続関係説明図の作成
    ・相続人判明後の書類整理支援
    ・遺産分割協議書作成支援
    ・必要に応じた司法書士、税理士等との連携


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