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    前編では、亡くなった方の口座が凍結されると、自由な出金や引落しが止まり、問題は単なる口座停止ではなく、その口座に結びついていた生活上の支払いにも広がりやすいことを整理しました。

    では、実際にはどのような場面でご家族が困りやすいのでしょうか。

    中編では、現場で多い典型例を整理します。


    ■公共料金や施設費の引落しが止まることがある

    口座凍結後に最初に問題になりやすいのが、日常的な引落しです。

    たとえば、電気・ガス・水道・電話料金、介護施設の利用料、家賃、クレジットカードの支払いなどが、亡くなった方名義の口座から落ちていた場合です。
    ご家族としては、預金があるのだからそのまま払えるように感じやすいのですが、口座が凍結されると、その流れが止まることがあります。

    そのため、
    「何がその口座から引き落とされていたのか」
    を早めに把握しておかないと、生活や契約関係に影響が出やすくなります。


    ■年金や入金の扱いで戸惑いやすい

    もう一つ多いのが、年金や各種入金の扱いです。

    亡くなった後にも口座にお金が入るのか、既に振り込まれた年金はどうなるのか、といった点で混乱しやすくなります。
    ご家族の感覚では
    「入っているなら使えるのではないか」
    と思いやすいのですが、相続手続では、入金の性質や時期を整理しながら考える必要があります。

    つまり、口座が止まった後は、出金だけでなく、入金側も含めて確認が必要になるのです。


    ■葬儀費用や当面の支払いとの関係で困る

    現場で特に切実なのは、葬儀費用や当面の支払いとの関係です。

    口座に預金があることは分かっていても、凍結後すぐには自由に払い戻せないため、相続人の誰かが一時的に立て替える場面が出やすくなります。
    このとき、後で精算するつもりでも、記録を残していないと、相続人間で説明が難しくなることがあります。

    口座凍結は、預金の有無とは別に、
    「今必要なお金を誰がどう負担するのか」
    という問題を表面化させやすいのです。


    ■家族が口座の全体像を把握していないと混乱が大きくなる

    被相続人が複数口座を使い分けていた場合、どの口座が生活口座で、どの口座に定期預金があるのか、家族が十分に把握していないことがあります。

    この状態で一つの口座だけ凍結が分かっても、他の口座の有無や資金の流れが分からず、不安が大きくなりやすくなります。
    そのため、凍結後は単に一口座の問題としてではなく、預貯金全体の把握につなげて考えることが重要です。


    ■中編まとめ

    ・公共料金や施設費などの日常的な引落しが止まることがある
    ・年金や各種入金の扱いでも戸惑いやすい
    ・葬儀費用や当面の支払いで立替えが生じやすい
    ・一口座だけでなく預貯金全体の把握が重要になる

    口座凍結後に困りやすいのは、預金があるのに使えないという点だけではなく、その口座を中心に回っていた生活上の支払いや入金の流れが崩れることです。
    次回の後編では、こうした混乱を大きくしないために、凍結後どのような順序で整理していくべきかを見ていきます。


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