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    相続手続きでは、戸籍を集めて相続人の範囲が分かれば、次に進めると思われがちです。
    しかし現場では、その段階で早くも止まることがあります。
    典型的なのが、相続人の住所が分からないという場面です。

    たとえば、兄弟姉妹の一人と長年連絡を取っていない、前婚の子の現在の居所が分からない、相続人の名前は戸籍で確認できても、今どこに住んでいるのかが分からない、といったケースです。

    相続人からすると、
    「相続人が誰か分かれば足りるのではないか」
    と思いやすいのですが、実際には、手続きを進めるにはその相続人に連絡を取り、意思確認をし、必要書類をやり取りしなければならないことが少なくありません。

    今回は前編として、なぜ相続人の住所確認が現場で最初の壁になりやすいのか、その基本的な構図を整理します。


    ■相続人が分かることと、連絡できることは別問題

    戸籍を集めると、法律上の相続人が誰なのかは見えてきます。
    ですが、戸籍で分かるのは基本的に身分関係であって、現在の住所や連絡先まで当然に分かるとは限りません。

    つまり、
    相続人の存在が確認できたこと

    その人に実際に連絡できること
    は別の問題です。

    相続手続きは、相続人の範囲を確定しただけでは進まず、その後の連絡・協議・押印取得まで含めて初めて動きます。
    このため、住所が分からない相続人が一人いるだけで、全体が止まりやすくなります。


    ■疎遠な親族ほど、相続開始後に急に重くなる

    特に多いのは、長年連絡を取っていなかった親族が相続人に入ってくるケースです。

    普段の生活では意識していなかった相手でも、相続になると正式な当事者になります。
    すると、
    「今どこに住んでいるのか」
    「手紙を送れるのか」
    「協議に応じてもらえるのか」
    という現実的な問題が一気に前に出てきます。

    相続で怖いのは、争いがあることだけではありません。
    連絡の入り口が作れないこと
    そのものが、手続停滞の原因になることがあります。


    ■住所確認は単なる事務ではなく、手続全体の土台になる

    住所確認というと、単なる事務作業のように見えるかもしれません。
    ですが実際には、その後の遺産分割協議、書類送付、署名押印、必要に応じた調停対応まで見据えると、非常に重要な最初の工程です。

    住所が分からなければ、相続人に資料を送り、意思を確認し、協議を進めることができません。
    つまり、住所確認は細かい作業ではなく、相続手続全体を動かすための土台なのです。


    ■前編まとめ

    ・戸籍で相続人が分かっても、連絡できるとは限らない
    ・相続人の住所が分からないと手続全体が止まりやすい
    ・疎遠な親族ほど、相続開始後に現実的な問題になりやすい
    ・住所確認は相続手続全体の土台になる重要な作業である

    相続手続きが止まるのは、難しい争いがあるときだけではありません。
    相続人の住所が分からないという、ごく初歩的に見える確認作業で、最初から進まなくなることもあります。
    次回の中編では、現場で実際にどのような場面で住所確認が難しくなるのか、典型例を整理していきます。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・戸籍収集など相続手続きの初動支援
    ・相続人調査、現住所確認の整理支援
    ・相続関係説明図の作成
    ・遺産分割協議書作成支援
    ・必要に応じた弁護士、司法書士等との連携


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