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    前編では、海外不動産がある相続では、日本の相続手続の延長だけでは整理できず、まず準拠法と現地手続を分けて考える必要があることを整理しました。

    中編では、翻訳、公証、認証、アポスティーユ、現地登記など、日本の相続より必要資料や手続が大きく広がることを見てきました。

    では、こうした相続で混乱を防ぐには、どのような順番で整理し、どのような点に注意して進めるべきなのでしょうか。

    後編では、海外不動産の相続で実務上押さえておきたい進め方を整理します。


    ■まずは「国ごとに違う」と理解することが出発点

    海外不動産の相続で最も危ないのは、どの国でも同じような流れで処理できると思い込むことです。

    実際には、不動産の所在国が違えば、必要書類も、認証の要否も、名義変更の方法も大きく異なります。

    ある国では日本の遺産分割協議書を翻訳して使えることがあっても、別の国では裁判所の関与や現地専門家を通じた手続が必要になることがあります。

    そのため、まず大切なのは
    「海外不動産だから大変」
    と漠然と考えるのではなく、
    「その国では何が必要か」
    を個別に確認することです。


    ■相続全体と海外不動産部分を分けて整理する

    実務では、日本国内の預貯金や不動産の相続と、海外不動産の相続を一度に全部処理しようとすると、かえって全体が止まりやすくなります。

    そのため、日本国内で先に進められる部分は進めつつ、海外不動産については別途必要資料や現地手続を整理する、という考え方が有効なことがあります。

    特に、海外不動産の手続には時間がかかることが少なくありません。

    翻訳や認証だけでも日数を要し、現地側とのやり取りが加わるとさらに長期化することがあります。

    だからこそ、相続全体を止めないためには、国内部分と海外部分を切り分けて考える視点が重要になります。


    ■早い段階で現地専門家との連携を意識する

    海外不動産の相続では、日本側だけで資料を整えても、最後は現地制度に合わせた確認が必要になることが少なくありません。

    たとえば、どの書類をどの形式で用意すべきか、翻訳文にどこまで求められるのか、現地の登記や税務で追加対応が必要か、といった点は、その国の実務を知らないと判断が難しいことがあります。

    そのため、問題が大きくなってから慌てるのではなく、早い段階で現地の弁護士、登記実務家、税務専門家などとの連携可能性を意識しておくことが大切です。

    海外不動産の相続は、日本だけで完結する前提を持たない方が安全です。


    ■後編まとめ

    ・海外不動産の相続は国ごとに必要資料や手続が異なる
    ・国内の相続部分と海外不動産部分を分けて整理することが有効
    ・海外部分は時間がかかりやすく、全体を止めない工夫が重要
    ・早い段階で現地専門家との連携を意識することが大切

    海外不動産の相続は、法律の問題、書類の問題、現地手続の問題が重なり、日本国内だけの相続よりはるかに複雑になりやすい分野です。

    だからこそ、一度に全部を解決しようとするのではなく、何を日本で整理し、何を現地で確認すべきかを分けて考えることが、混乱を防ぐ大切なポイントになります。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・戸籍収集など相続手続きの初動支援
    ・相続人調査、相続関係説明図の作成
    ・海外財産を含む相続関係全体の整理
    ・遺産分割協議書作成支援
    ・必要に応じた弁護士、司法書士、税理士等との連携


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