• 相続専門!国際関係業務にも強い!21年間の行政経験を踏まえて、皆様をサポートします!

    前編では、相続では財産だけでなく借金も引き継ぐこと、そしてその対処方法として「相続放棄」と「限定承認」という制度があることを整理しました。

    中編では、限定承認が検討されるケースとして、財産と債務の全体像が不明な場合や、不動産を守りたい場合などを紹介しました。

    後編では、限定承認を検討する際の実務上のポイントと、生前にできる対策について解説します。


    ■限定承認は手続きが重い制度

    限定承認は、法律上は非常に合理的な制度です。
    しかし実務では、利用件数はそれほど多くありません。

    理由の一つが、手続きの重さです。

    限定承認を行うと、相続人は「相続財産管理人」のような立場となり、債権者に対して以下のような手続きを行う必要があります。

    ・官報公告による債権者への通知
    ・債権届出の受付
    ・債権の調査
    ・相続財産の換価
    ・債務の弁済

    これらは法律上定められた流れに従って進める必要があり、通常の相続手続きよりも手間と時間がかかります。

    そのため、専門家の関与が前提となるケースも少なくありません。


    ■相続人間の合意形成が重要

    限定承認にはもう一つ大きな特徴があります。

    それは、相続人全員で行う必要があるという点です。

    例えば、

    ・配偶者
    ・子ども2人

    という相続の場合、この3人全員が共同で限定承認を行う必要があります。

    一人でも反対すると、限定承認は成立しません。

    実務では、

    「私は相続放棄でいい」
    「いや、不動産は残したい」

    といった意見の違いが生じることもあります。

    このように、限定承認は制度としては有効でも、相続人間の意思統一が難しいことがある点が実務上の課題です。


    ■限定承認が必要になる背景

    限定承認が検討される背景には、「借金の存在を家族が知らない」という問題があります。

    例えば、

    ・事業の借入
    ・知人の保証人
    ・金融機関の借入

    などです。

    被相続人が生前に説明していない場合、相続人は相続開始後に初めて債務の存在を知ることになります。

    その時点で、相続方法を判断しなければならないのです。


    ■生前の情報共有が家族を守る

    こうしたトラブルを防ぐためには、生前の情報共有が重要です。

    例えば、

    ・借入の有無
    ・保証人になっている契約
    ・金融機関との取引

    などを家族が把握していれば、相続開始後の判断は大きく変わります。

    また、遺言書や財産一覧を作成しておくことも、相続人の混乱を防ぐ有効な方法です。

    相続は、「残す財産の問題」だけではありません。

    家族にどのような状況を引き継ぐのか、という視点も大切なのです。


    ■後編まとめ

    ・限定承認は手続きが重い制度
    ・相続人全員で行う必要がある
    ・被相続人の借金は相続後に発覚することも多い
    ・生前の情報共有が相続トラブルを防ぐ

    限定承認は、あまり知られていない制度ですが、状況によっては家族を守る重要な選択肢になります。

    だからこそ、相続開始後に慌てないための準備が重要です。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・相続人確定と戸籍収集
    ・相続財産と債務の調査
    ・相続放棄・限定承認の検討支援
    ・遺産分割協議書作成
    ・弁護士・税理士と連携した相続手続きサポート


    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です