前編では、空き家であっても所有者には管理責任があり、
相続が発生するとその責任を相続人が引き継ぐ可能性があることを解説しました。
中編では、空き家を放置した場合に起こり得る具体的な問題について見ていきます。
空き家を放置すると、まず起こりやすいのが近隣トラブルです。
例えば、
・庭木や雑草が隣地へ越境する
・害虫や害獣が発生する
・建物の老朽化による景観悪化
・不法侵入や不法投棄
空き家は人の目が届きにくいため、周囲の環境にも影響を与えることがあります。
近隣住民から苦情が入ると、相続人が対応を求められるケースも少なくありません。
空き家の大きな問題の一つが、建物の老朽化です。
人が住まなくなると、
・雨漏り
・屋根や外壁の劣化
・設備の破損
などが急速に進むことがあります。
その結果、
・屋根瓦の落下
・外壁の崩落
・塀の倒壊
といった事故につながる可能性もあります。
もし第三者に被害が発生した場合、所有者が損害賠償責任を問われる可能性があります。
空き家問題が深刻化する中、自治体による対応も強化されています。
いわゆる「空き家対策特別措置法」に基づき、管理状態が悪い空き家は特定空家に指定されることがあります。
特定空家に指定されると、
・自治体からの改善指導
・勧告
・命令
といった段階的な措置が行われます。
最終的には、行政代執行により建物が解体され、その費用を所有者が負担する可能性もあります。
空き家を所有している限り、固定資産税の負担は続きます。
さらに、特定空家に指定されると、住宅用地の特例が適用されなくなる場合があります。
そうなると、固定資産税が大幅に増額する可能性があります。
空き家を放置することは、経済的な負担の増加にもつながります。
・空き家は近隣トラブルの原因になる
・老朽化により事故リスクがある
・自治体からの指導や行政対応があり得る
・固定資産税の負担は続く
空き家は、「使っていない家」ではなく、管理責任を伴う不動産です。
相続をきっかけに、突然その責任を負うことになる人も少なくありません。
次回の後編では、空き家相続にどう対応すべきか、現実的な対処方法と生前対策を解説します。
・空き家相続の整理
・相続人確定と戸籍収集
・遺産分割協議書作成
・空き家管理リスクの整理
・他士業と連携した不動産対応