前編では、山林が相続財産として残った場合、
「資産」ではなく“負動産”になることもある現実を整理しました。
中編では、山林相続で実際に起こる具体的な問題を見ていきます。
山林相続で最初に考えるのは、「売却できないか」という点です。
しかし現実には、
・買い手が見つからない
・仲介を引き受ける不動産会社が少ない
・価格がつかない
というケースが珍しくありません。
都市部の土地と違い、山林は利用目的が限られます。
林業として活用するには広さや立地が必要ですし、
単独の小規模山林では経済的価値がつきにくいのが実情です。
結果として、
「売りたいが売れない」
という状態に陥ることがあります。
売却が難しい場合、山林は相続人の共有になることがあります。
例えば、兄弟3人で相続した場合、それぞれ3分の1ずつの共有です。
一見すると公平に見えますが、共有には大きな問題があります。
・売却には共有者全員の同意
・管理責任も共有
・利用方法も全員で決定
誰か一人でも反対すれば、売却も処分も進みません。
「いずれどうにかしよう」
そう考えたまま、長年放置される山林も少なくありません。
山林は放置しても問題がないように思われがちですが、実際には管理責任が伴います。
例えば、
・倒木による事故
・境界トラブル
・不法投棄
・土砂流出
こうした問題が発生した場合、所有者が対応を求められる可能性があります。
「使っていない土地だから関係ない」とは言えないのです。
さらに厄介なのは、共有状態のまま相続が繰り返されることです。
兄弟3人の共有だった山林が、次の世代では6人、9人と増えることもあります。
こうなると、
・全員の所在確認
・意思確認
・書類取得
だけでも大きな負担になります。
山林の価値が低いほど、手続きを進める動機も弱くなり、問題は次世代へ持ち越されていきます。
・山林は売却が難しいことが多い
・共有状態は処分を困難にする
・管理責任は残る
・相続を重ねるほど人数が増える
山林相続の問題は、時間とともに複雑化します。
「そのうち何とかなる」
という状態が、次世代の大きな負担になることもあります。
次回の後編では、山林相続で取れる具体的な対処方法と生前対策を解説します。
・山林の相続人確定
・共有リスクの整理
・相続放棄の検討支援
・遺産分割協議書作成
・他士業と連携した不動産処理対応