前編では、兄弟姉妹相続で代襲相続が起きると、
甥や姪が突然当事者になることを解説しました。
中編では、代襲相続で実際に揉めやすいポイントを見ていきます。
よくある誤解があります。
「父が生きていれば3分の1だった。
だから自分も3分の1をもらえるはずだ」
しかし実際は、父の相続分を“その子全員で分ける”のが原則です。
例えば、
・被相続人の兄弟が3人
・うち1人(父)が既に死亡
・その子が3人いる
この場合、父の3分の1を、子3人でさらに3等分します。
つまり、それぞれ9分の1です。
想定より少ない取り分に、不満が生じることも少なくありません。
代襲相続では、相続人間の温度差が顕著です。
・生前に関わりが深かった人
・ほとんど接点がなかった人
感情の距離が違います。
介護をしていた側からすると、
「突然現れて取り分だけ主張する」
ように感じることもあります。
一方、代襲相続人から見れば、
「法律上の権利があるだけ」
という認識です。
このギャップが対立の種になります。
甥や姪が遠方に住んでいたり、長年連絡を取っていない場合、協議書の作成が進みません。
・海外在住
・住所不明
・返答がない
相続は、“全員の合意”が原則です。
一人でも欠ければ、遺産分割協議は成立しません。
代襲相続人の中には、
「関わりたくない」
として相続放棄を選ぶ人もいます。
すると、次順位の相続人に権利が移ることがあります。
相続人の範囲がさらに広がり、調整はより複雑になります。
戸籍をたどると、思わぬ人数に膨れ上がるケースもあります。
・代襲相続では取り分の誤解が多い
・相続人間の温度差が対立を生む
・全員の合意が必要
・相続放棄で範囲が広がる可能性
代襲相続は、法律上は整然とした制度です。
しかし現実では、人間関係の複雑さを露呈させます。
次回の後編では、代襲相続で揉めないための準備と実務的対応策を解説します。
・戸籍収集による相続人確定
・代襲相続関係の整理
・相続関係説明図の作成
・遠方相続人との調整支援
・遺産分割協議書作成サポート