「今回は兄弟だけで話し合えばいいんですよね?」
Aさんは、叔父が亡くなったとき、そう思っていました。
被相続人には配偶者も子もいません。
相続人は兄弟姉妹。
ところが、ここで一つの事実が判明します。
Aさんの父(被相続人の弟)は、すでに他界していたのです。
その瞬間、Aさんは“当事者”になりました。
本来相続人となるはずだった人が、相続開始前に亡くなっている場合、
その子が代わりに相続人になります。
これを「代襲相続」といいます。
今回のケースでは、
・被相続人:叔父
・相続人:兄弟姉妹
・しかし弟(Aさんの父)は既に死亡
その結果、Aさんが父に代わって相続人となりました。
代襲相続で厄介なのは、相続人が一気に増えることです。
例えば、
・亡くなった兄弟が2人
・それぞれに子が3人
となれば、甥や姪が6人当事者になります。
これまで面識のなかった親族同士が、突然「共同相続人」になるのです。
実務でよくあるのが、
・遠方に住んでいる
・疎遠になっている
・そもそも存在を知らなかった
といったケースです。
戸籍をたどって初めて「こんなに相続人がいるのか」と驚くことも少なくありません。
相続は、“身近な家族だけの問題”ではないのです。
甥や姪にとって、叔父・叔母は“近いようで遠い存在”です。
介護に関わっていない場合、「突然呼ばれて署名を求められる」という構図になります。
その結果、
・情報不足による不信感
・取り分への疑問
・手続きへの非協力
が生じやすくなります。
・兄弟姉妹相続では代襲が起きやすい
・甥・姪が突然当事者になる
・相続人が想像以上に増える
・疎遠な親族との調整が必要
代襲相続は、法律上は当然の制度です。
しかし現実では、「想定外の広がり」を生む要因になります。
次回の中編では、代襲相続で揉めやすいポイントと実務上の落とし穴を解説します。
・戸籍収集による相続人調査
・代襲相続関係の整理
・相続関係説明図の作成
・遺産分割協議書作成支援
・遠方相続人との調整サポート