前編では、動画配信やブログなどの収益化アカウント、
そして著作権が相続財産になり得ることを整理しました。
中編では、具体的にどのように引き継ぐのか、
どこでつまずきやすいのかを見ていきます。
デジタル遺産で最初に必要なのは、徹底した洗い出しです。
・どのサービスを利用しているか
・収益が発生しているのか
・紐づいている銀行口座や決済口座は何か
通帳の入出金やメール履歴から、手がかりを探すことになります。
しかし、ログイン情報が分からなければ、調査は困難を極めます。
ここで重要なのは、著作権とアカウントの管理権限は別問題であることです。
著作権は相続人に承継されますが、アカウントの利用権はサービス規約に従います。
多くのプラットフォームでは、
・本人のみ利用可能
・第三者への譲渡禁止
・死亡時の取り扱いは個別対応
と定められています。
そのため、相続人がそのまま運営を続けられるとは限りません。
収益が発生している場合、それは原則として相続財産に含まれます。
ただし問題は、
・どの時点までの収益か
・将来の収益をどう評価するか
・継続可能性はあるのか
といった点です。
広告収入や印税は、安定的な資産とは限りません。
評価額の算定を巡って、相続人間で意見が分かれることもあります。
近年多いのが、二段階認証によるアクセス障害です。
スマートフォンがロックされている場合、ログイン確認メールやSMSを受け取れず、
アカウントに入れないことがあります。
これにより、
・収益の確認ができない
・契約解除もできない
・放置すると規約違反になる
といった事態も起こります。
さらに、
・自動課金が続く
・有料サーバー契約が解約できない
・SNSがそのまま残る
といった問題も生じます。
デジタル遺産は、「動かせない」だけでなく、「止められない」こともあるのです。
・まず徹底した洗い出しが必要
・著作権とアカウント管理は別問題
・収益の評価が難しい
・二段階認証が大きな壁になる
・止められない契約が残ることもある
次回の後編では、デジタル遺産で揉めないための具体的な対策、
生前にできる準備を解説します。
・デジタル遺産の洗い出し支援
・著作権相続の整理
・収益評価の検討
・遺産分割協議書作成支援
・専門家と連携した相続対応