相続手続が進み、戸籍を収集している途中で、
突然、家族の空気が凍りつくことがあります。
そこに記載されていたのは、見知らぬ子どもの存在。
いわゆる「認知された子」、俗にいう“隠し子”です。
亡くなったAさん(70代)。
相続人は、妻と実子2人のはずでした。
戸籍を出生からさかのぼって取得していくと、
若いころに認知した子どもが1人いることが判明します。
家族は誰も知りませんでした。
「そんな話、聞いたことがない」
「本当に父の子なのか」
「今さら出てくるのか」
相続人が突然増える。
この事実は、家族の心理に大きな衝撃を与えます。
ここで重要なのは、認知された子は法律上、実子と同じ相続人であるという点です。
婚姻外で生まれた子であっても、認知が成立していれば、相続権は実子と同じです。
かつては相続分に差がありましたが、現在はその差もありません。
つまり、
・実子2人
・認知された子1人
であれば、3人で均等に分けることになります。
相続の現場でよく聞かれるのが、
「家族は誰も知らなかった」
「交流もなかった」
「生活を共にしていない」
という言葉です。
しかし、法律上の相続権は、交流の有無では左右されません。
認知が成立していれば、戸籍に記載がある限り、相続人として扱われます。
問題は、法律ではなく感情です。
・父の知らなかった一面を突きつけられる
・相続分が減る
・母の気持ちはどうなるのか
相続は財産の分配であると同時に、家族の歴史が露わになる場面でもあります。
「なぜ今、こんなことが分かるのか」
この問いが、協議を難しくします。
・戸籍収集の途中で認知された子が判明することがある
・認知された子は法律上、実子と同じ相続人
・交流の有無は相続権に影響しない
・法律と感情のギャップが大きな火種になる
次回の中編では、認知された子がいる場合の具体的な相続分の計算、
協議で起きやすい対立点を、実務目線で整理します。
・出生から死亡までの戸籍収集と相続人確定
・認知が絡む相続関係の整理
・相続分の計算と協議方針の検討
・感情対立を踏まえた実務的アドバイス
・専門家と連携した相続対応