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    前編では、相続した家に誰かが住み続けている場合、
    感情が先行して話し合いがこじれやすい構図を整理しました。

    中編では、相続後の家は共有財産であること、
    使用貸借や賃貸の考え方など、法的な整理のポイントを解説しました。

    後編では、実務でどのように折り合いをつけているのか
    揉めずに相続を終えるための現実的な対応策を見ていきます。

    ■Aさん家族が直面した「現実的な選択」

    父の死亡後、実家に住み続けていた長男と、
    売却を希望する長女・次男の対立は続いていました。

    感情的な言い合いを経て、家族が最終的に行ったのは、
    「出て行くか、出て行かないか」をすぐに決めることではありませんでした。

    まず整理したのは、次の点です。

    ・長男は今後も住み続けたいのか
    ・将来的に購入や引き継ぎは可能か
    ・他の相続人はどこまで待てるのか

    これにより、話し合いの焦点が
    「感情」から「条件」へと移っていきました。

    ■条件付きで住み続けるという選択

    実務で多い落としどころの一つが、条件付きでの居住継続です。

    例えば、

    ・一定期間は住み続けることを認める
    ・その間、使用料相当額を支払う
    ・期限までに買取または明け渡しを行う

    こうした条件を明確にすることで、他の相続人も
    「ずっと占有されるわけではない」と安心できます。

    曖昧なまま住み続けることが、最も大きな不満を生むのです。

    ■代償分割・買取という解決策

    住み続ける人が将来的にその家を取得したい場合には、
    代償分割という選択肢があります。

    これは、家を取得する代わりに、
    他の相続人へ金銭を支払う方法です。

    ポイントは、
    ・不動産の評価額を共有する
    ・支払時期や方法を明確にする
    ・現実的に支払えるかを確認する

    「いずれ払うつもり」ではなく、具体的な計画を立てることが重要です。

    ■どうしても折り合わない場合

    話し合いがどうしてもまとまらない場合、法的手続が検討されることもあります。

    ただし、時間・費用・精神的負担を考えると、
    最初から目指す解決策とは言えません。

    そのため実務では、裁判になる前に、どこで折り合うか
    を見極めることが重視されます。

    ■生前対策が最大の予防策

    明け渡し問題で、最も効果的なのは生前対策です。

    ・誰に住んでほしいのか
    ・住み続ける条件は何か
    ・将来はどうするのか

    これらを遺言書や生前の話し合いで残しておくことで、
    相続人同士の衝突は大きく減ります。

    「そのとき考えればいい」という判断が、
    最も大きな負担を家族に残すこともあります。

    ■後編まとめ

    ・まず条件を整理して話し合う
    ・期限や使用料を明確にする
    ・代償分割や買取も現実的な選択肢
    ・争う前に折り合いどころを見極める
    ・生前対策が最大のトラブル回避策

    相続した家に住み続ける問題は、法的な正しさだけでは解決できません。

    だからこそ、感情と現実の両方に向き合いながら、
    「全員が納得できる形」を探ることが、家族関係を守る近道になります。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・居住者がいる相続不動産の整理
    ・条件付き居住・代償分割の設計
    ・遺産分割協議書への反映
    ・感情対立を踏まえた実務的助言
    ・生前対策(遺言書作成等)の支援


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