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    相続の現場で、非常に多く、そして根深い問題の一つが
    「相続した家に、誰かが住み続けている」ケースです。

    ・実家に同居していた兄
    ・長年住み続けている姉
    ・介護のために戻ってきた子ども

    こうした状況では、相続手続が一気に難しくなります。

    「出て行ってほしい」
    「住み続けたい」

    この二つの主張がぶつかると、相続は“財産の話”から
    人間関係の問題へと変わっていきます。

    ■Aさん家族のケース

    亡くなったのは父・Aさん。
    実家の一戸建てには、長男が独身のまま同居していました。

    相続人は次の3人です。

    ・長男(実家に居住)
    ・長女(結婚して別居)
    ・次男(道外在住)

    葬儀後、遺産分割の話し合いが始まったとき、
    長女と次男はこう考えていました。

    「家は売却して、現金で分けたい」

    一方、長男は当然のように言いました。

    「ここは自分の家だと思っている」
    「今さら出て行けと言われても困る」

    話し合いは、最初から平行線でした。

    ■「住んでいる=権利がある」という誤解

    明け渡し問題で、非常に多い誤解があります。

    それは、「長く住んでいるから、自分のものになる」
    という考え方です。

    しかし法律上、相続が発生した時点では、
    不動産は相続人全員の共有財産です。

    たとえ同居していたとしても、
    当然に「無条件で住み続けられる権利」が
    与えられるわけではありません。

    この認識のズレが、感情的な対立を深めていきます。

    ■「追い出すつもりはない」が伝わらない

    一方で、家を出てほしいと考える側も、
    必ずしも冷酷なわけではありません。

    ・公平に分けたい
    ・売却しないと遺産分割が進まない
    ・将来の管理が不安

    こうした現実的な理由が背景にあります。

    しかし、「明け渡してほしい」という言葉は、
    住んでいる側には「追い出される」という恐怖として響きます。

    ここで感情が一気にこじれます。

    ■家に「住む」という行為の重さ

    実家に住み続ける人にとって、その家は単なる不動産ではありません。

    ・生活の基盤
    ・思い出
    ・これまでの人生そのもの

    だからこそ、数字や法律の話だけでは、解決できないのです。

    ■前編まとめ

    ・相続した家に住み続ける人がいると話が難しくなる
    ・「住んでいる=権利がある」という誤解が多い
    ・明け渡しを求める側にも現実的理由がある
    ・家は感情と生活が深く結びついた財産

    次回の中編では、明け渡し問題を法的にどう整理するのか
    使用貸借・賃貸・共有の考え方を、実務目線で解説します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・相続不動産の権利関係整理
    ・居住者がいる場合の分割方針検討
    ・明け渡しを巡る実務的アドバイス
    ・遺産分割協議書への反映支援
    ・感情対立を踏まえた相続サポート


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