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    相続の相談で、意外と多いのが次のような声です。
    「葬儀費用は長男が立て替えたのに、
     相続の話になると誰も触れようとしない」

    葬儀費用は、誰かが必ず支払っているにもかかわらず、
    相続の場面では曖昧にされがちなテーマです。

    今回は、葬儀費用を巡る基本的な考え方と、
    なぜ揉めやすいのかを整理します。

    ■Aさん家族のケース

    亡くなったのは父・Aさん。
    相続人は次の3人でした。

    ・妻のBさん
    ・長男
    ・長女

    葬儀の手配は長男が中心となって行い、
    費用も一旦、長男が立て替えました。

    葬儀後しばらくして、遺産分割の話になったとき、
    長男はこう切り出します。

    「葬儀費用、相続財産から精算できるよね?」

    ところが、他の相続人からは、
    はっきりした答えが返ってきませんでした。

    ■「葬儀費用=相続財産から出せる」は誤解?

    多くの方が、
    「葬儀費用は当然、相続財産から払うもの」
    と考えています。

    しかし、法律上は、
    必ずしもそう単純ではありません。

    葬儀費用は、相続開始と同時に当然に発生する
    「相続債務」とは扱われないのが原則です。

    このため、誰が負担すべきかについて、
    解釈の余地が生じやすくなります。

    ■なぜ葬儀費用は揉めやすいのか

    葬儀費用がトラブルになりやすい理由には、
    次のような事情があります。

    ・支払うタイミングが相続前である
    ・金額がまとまっている
    ・立て替えた人と相続人が一致しないことがある
    ・事前に取り決めがないケースが多い

    特に、
    「喪主だから払って当然」
    「長男だから仕方ない」
    といった暗黙の了解が、後々の不満につながることもあります。

    ■相続人全員で負担するのか?

    では、葬儀費用は相続人全員で負担すべきなのでしょうか。

    実務では、
    ・相続人全員で按分する
    ・相続財産から実質的に精算する
    ・喪主が負担する

    など、ケースごとに扱いが異なります。

    問題は、どの方法が「当然」だと誤解されやすい点です。

    この認識のズレが、相続全体の話し合いをこじらせる原因になります。

    ■「相続の話」と「葬儀の話」は別物

    葬儀は感情が大きく動く場面です。
    その直後に、冷静な費用精算の話をするのは、簡単ではありません。

    しかし、曖昧にしたまま進めると、遺産分割の段階で不満が噴き出すことになります。

    次回の中編では、葬儀費用は法的にどう扱われるのか相続財産との関係を、
    もう一段踏み込んで解説します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・葬儀費用と相続財産の関係整理
    ・立替払いがある場合の実務的整理
    ・遺産分割協議での調整ポイント整理
    ・相続人間の認識ズレの可視化
    ・相続トラブルを防ぐための事前整理


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