前編では名義預金の基本的な考え方を、
中編では名義預金と判断されやすい典型例や、生前贈与との違いを整理しました。
後編では、
名義預金を巡って相続人同士が対立した場合、どのように整理し、どう落としどころを見出すかを、
実務目線で解説します。
名義預金の問題は、
相続人の感情を刺激しやすいテーマです。
・「母名義なのだから母の財産だ」
・「父が稼いだお金なのだから父の相続財産だ」
・「一部は贈与だったはずだ」
こうした主張がぶつかると、
話し合いは一気に硬直します。
特に、
預金額が大きい場合や、
他の相続財産が少ない場合には、
名義預金の扱いが遺産分割の行方を左右することもあります。
揉め始めたときこそ重要なのは、
感情論ではなく、事実関係の整理です。
・原資は誰の収入・資産か
・誰が通帳・印鑑を管理していたか
・引き出しや使途は誰が決めていたか
・贈与といえる証拠や経緯はあるか
これらを整理することで、
「主張できる点」と「譲歩すべき点」が見えてきます。
曖昧なまま話し合いを続けると、
不信感だけが積み重なってしまいます。
名義預金は、
遺産分割だけでなく、相続税のリスクとも直結します。
相続人間で合意したとしても、
税務上は名義預金として否認され、
相続財産に加算される可能性があります。
そのため、
「誰がどれだけ取得するか」だけでなく、
税務上どう評価されるかを踏まえた判断が欠かせません。
場合によっては、
全額を相続財産として扱ったうえで、
遺産分割で調整する方が、
結果的にトラブルを抑えられることもあります。
・名義預金は感情的対立を招きやすい
・まずは原資・管理・使途など事実関係を整理する
・税務リスクを無視した合意は危険
・現実的な落としどころを探る視点が重要
名義預金の問題は、
「法律」「税務」「家族関係」が複雑に絡む分野です。
だからこそ、
早い段階で全体像を整理し、
冷静に対応することが、
最終的な負担を減らす近道になります。
・名義預金を巡る事実関係の整理と見える化
・相続財産への算入可否に関する実務的検討
・相続人間の認識整理・説明サポート
・相続税申告を見据えた専門家との連携
・名義預金トラブルを防ぐための事前アドバイス