前編では、「名義をそのままにしておく」という選択肢が通用しなくなった背景と、
相続登記義務化が始まった理由を整理しました。
中編では、
相続登記義務化の具体的な内容
―「誰が」「いつまでに」「何をしなければならないのか」―
を、実務目線で確認していきます。
相続登記の義務が課されるのは、
不動産を相続によって取得した相続人です。
ポイントは、
「遺産分割が終わっていないから関係ない」
「兄弟で話し合い中だからまだ大丈夫」
といった事情は、原則として考慮されないことです。
法律上は、
**相続によって取得したことを“知った時”**から、
登記義務が生じます。
相続登記には、明確な期限があります。
原則として、
相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内
に、相続登記を行う必要があります。
この期限を過ぎても、
正当な理由なく登記をしない場合、
10万円以下の過料が科される可能性があります。
「罰金が必ず取られる」というわけではありませんが、
これまで“放置しても問題にならなかった”状況とは、
明らかに扱いが変わったと言えます。
ここで多い質問が、
「何十年も前の相続も、今から登記しないといけないの?」
というものです。
答えは YES です。
相続登記義務化は、
過去に発生した相続で未登記の不動産も対象になります。
ただし、
制度開始時点で未登記だった不動産については、
一定の猶予期間が設けられています。
それでも、
「そのうちやればいい」と先送りしていると、
気付いた時には期限が迫っている、
というケースが少なくありません。
法律上、
正当な理由がある場合には、
過料が科されないとされています。
しかし、
「兄弟で揉めている」
「忙しくて手が回らない」
といった理由が、
必ずしも正当と認められるわけではありません。
たとえば、
といった場合でも、
“何もしていない状態”は評価されません。
調査や申立てなど、
何らかの行動を取っているかどうかが重要になります。
・相続登記義務は、不動産を相続した相続人に課される
・期限は「相続を知った日から3年以内」
・過去の相続で未登記の不動産も対象
・正当な理由があっても、放置は許されない
・「動いているかどうか」が実務上の重要ポイント
次回(後編)では、
「では、何から手を付ければいいのか」
相続登記義務化に対応するための現実的な進め方と、
放置しないための優先順位を解説します。