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    「遺言書に“長男は生前に多額の援助を受けているため相続分を減らす”と書かれていました。
    これって本当に有効なんでしょうか?」

    相続の現場で、近年とても増えている相談です。
    ポイントになるのが、**「特別受益」**という考え方です。

    前編では、
    そもそも特別受益とは何か/なぜ揉めやすいのかを、ケースを通じて整理します。


    ■ケース:遺言書に突然書かれていた「特別受益」

    被相続人は父。
    相続人は、長男Aさん、次男Bさん、長女Cさんの3人です。

    父の遺言書には、次のような一文がありました。

    「長男Aは、住宅購入資金として生前に多額の援助を受けているため、
    相続分は他の相続人より少なくする」

    これを見たAさんは驚きます。
    「確かに援助は受けたが、そんな話は一度も聞いていない」
    一方、BさんとCさんは
    「やっぱり不公平だったんだ」と納得した様子。

    こうして、“特別受益”をめぐる感情の対立が始まります。


    ■特別受益とは何か?

    特別受益とは、
    相続人が被相続人から生前に受けた特別な利益のことを指します。

    典型例としては、

    • 住宅購入資金の援助
    • 結婚・開業資金の贈与
    • 高額な学費の負担

    などが挙げられます。

    これらは、
    「すでに多くもらっているのだから、相続では調整しよう」
    という考え方につながります。


    ■すべての援助が特別受益になるわけではない

    ここで重要なのは、
    生前援助=すべて特別受益ではないという点です。

    判断では、次のような点が考慮されます。

    • 金額は高額か
    • 一時的か、継続的か
    • 社会通念上、親として通常の扶養・援助の範囲か
    • 他の兄弟とのバランス

    たとえば、
    生活費の仕送りや通常の学費負担は、
    特別受益に該当しないケースも多くあります。


    ■遺言書に書けば何でも通るわけではない

    「遺言書に書いてあるのだから絶対だ」
    と思われがちですが、そう単純ではありません。

    遺言で特別受益に触れていても、

    • 内容が抽象的
    • 金額や根拠が不明確
    • 明らかに不公平

    といった場合、
    相続人間で強い反発が生まれ、
    結果として紛争が深刻化することがあります。


    ■前編まとめ

    ・特別受益とは、生前に受けた「特別な利益」を相続で調整する考え方
    ・住宅資金や開業資金などが典型例
    ・ただし、生前援助すべてが特別受益になるわけではない
    ・遺言書に書いても、内容次第では揉める火種になる

    次回(中編)では、
    どこまでが特別受益として認められるのか/具体的な判断基準
    もう一歩踏み込んで解説します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 特別受益に該当するかの整理・判断サポート
    • 生前贈与・援助内容の事実関係整理
    • 遺言書内容のチェックとリスク分析
    • 相続人間の説明資料作成・調整支援
    • 司法書士・弁護士との連携による紛争予防対応

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