前編では、相続人の一人と連絡が取れないだけで相続手続きが止まること、
中編では、所在調査や不在者財産管理人・失踪宣告といった法的手段を整理しました。
後編では、実際に不在者財産管理人を立てた後、相続をどう進めるのか、
そして「後悔しない判断のポイント」をまとめます。
家庭裁判所が不在者財産管理人を選任すると、
行方不明の相続人は「法的に代理される状態」になります。
これにより、
が可能になります。
ただし重要なのは、
不在者財産管理人は“他の相続人の味方”ではないという点です。
役割はあくまで「行方不明者の財産を守ること」であり、
不利な分割案には同意しません。
不在者財産管理人が関与する遺産分割協議では、
原則として家庭裁判所の許可が必要になります。
これは、
行方不明者の権利が不当に害されないよう、
裁判所が内容をチェックするためです。
そのため、
という現実があります。
「早く終わらせたい」という気持ちだけで進めると、
思った以上に負担を感じることも少なくありません。
長期間にわたり所在が分からない場合、
失踪宣告という選択肢もあります。
ただし、失踪宣告は
法律上「死亡したものとみなす」極めて重い制度です。
後から本人が生存していることが判明すれば、
など、深刻な影響が生じます。
「相続を早く終わらせたい」だけの理由で選ぶべき制度ではありません。
実務で多い後悔は、次のようなものです。
行方不明相続では、
「何もしない」ことが最もリスクの高い選択になります。
・不在者財産管理人が立つと、相続は法的に進められる
・遺産分割には家庭裁判所の許可が必要となり、慎重な手続きが求められる
・失踪宣告は最終手段であり、影響は極めて大きい
・行方不明相続では、早期の調査と判断が将来の負担を大きく左右する
相続人の一人が行方不明という状況は、
感情的にも手続的にも大きな負担になります。
だからこそ、制度を正しく理解し、
「最も安全で現実的なルート」を選ぶことが重要です。