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    前編では、相続人の一人と連絡が取れないだけで、
    相続手続きは原則として進められないことを整理しました。
    中編では、**「本当に行方が分からない場合、何から始め、どこまでできるのか」**を解説します。


    ■まず必要なのは「本当に行方不明か」の確認

    「連絡が取れない=行方不明」と思いがちですが、
    法律上は慎重な確認が求められます。

    実務では、次のような調査を段階的に行います。

    • 戸籍の附票で住所の履歴を確認
    • 住民票の除票・改製原住民票の取得
    • 郵便物の転送・不達状況の確認

    意外にも、
    「住民票は別の市町村に移っていた」
    「戸籍上は生存していることが明確になった」
    というケースは少なくありません。

    この段階で所在が判明すれば、
    通常の相続手続きに戻ることができます。


    ■所在が分からない場合に検討される法的手段

    調査を尽くしても所在が分からない場合、
    相続を進めるために、法律上いくつかの制度が用意されています。

    ① 不在者財産管理人の選任

    もっとも現実的なのが、
    家庭裁判所に「不在者財産管理人」の選任を申し立てる方法です。

    不在者財産管理人は、
    行方不明者に代わって財産を管理し、
    必要な範囲で遺産分割協議に参加します。

    これにより、
    行方不明の相続人を含めた形で、
    法的に有効な手続きを進めることが可能になります。


    ② 失踪宣告という選択肢(ただし慎重に)

    「何年も連絡がないなら、死亡扱いにできないのか?」
    という相談もあります。

    一定期間(原則7年など)の要件を満たせば、
    家庭裁判所に失踪宣告を申し立てることが可能です。

    ただし失踪宣告は、
    法律上「死亡したものとみなす」非常に重い制度です。

    後から本人が現れた場合、
    相続関係をやり直す必要が生じるなど、
    影響は極めて大きくなります。


    ■「とりあえず待つ」は最もリスクが高い

    行方不明相続でよくあるのが、
    「面倒だから、そのうち見つかるだろう」と先送りするケースです。

    しかしその間も、

    • 不動産は名義変更できない
    • 預金は凍結されたまま
    • 固定資産税や管理負担は続く

    という状態が続きます。

    結果として、
    他の相続人の負担だけが積み上がることになります。


    ■中編まとめ

    ・まずは戸籍・住民票等で所在調査を尽くす
    ・所在不明の場合は、不在者財産管理人の選任が現実的
    ・失踪宣告は最終手段であり、影響が大きい
    ・「放置する」ことが最もリスクの高い選択肢

    次回(後編)では、
    不在者財産管理人を立てた後、遺産分割をどう進めるのか
    そして後悔しない判断のポイントを整理します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 行方不明相続人の調査手順整理
    • 戸籍・住民票・附票の取得支援
    • 不在者財産管理人選任に向けた準備整理
    • 相続全体の進行管理とリスク説明
    • 司法書士・弁護士との連携による対応支援

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