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    前編では、相続人の一人が認知症の場合、原則として相続手続きが止まり、
    家族が代わりに決めることはできないという点を整理しました。
    中編では、成年後見人を立てると、相続手続きがどう進むのかを具体的に解説します。


    ■成年後見人を立てると「何ができるようになるのか」

    成年後見人が選任されると、
    判断能力が不十分な相続人に代わり、法律行為を行える正式な代理人が立ちます。

    これにより、

    • 遺産分割協議への参加
    • 協議書への署名・押印
    • 相続登記や預金解約の前提行為

    が、法律上有効な形で可能になります。

    つまり、
    「止まっていた相続手続きが、ようやく動き出す」状態になります。


    ■成年後見人は誰がなるのか?

    多くの方が気になるのがこの点です。

    「家族が後見人になれるのでは?」
    答えは ケースによる です。

    家庭裁判所は、

    • 相続に利害関係があるか
    • 公平性が保てるか
    • 本人の財産管理能力

    などを総合的に判断します。

    相続案件では、
    子どもが相続人である場合、後見人に選ばれないことも多く
    弁護士・司法書士などの第三者専門職が選任されるケースが少なくありません。


    ■「後見人が立てば自由に分けられる」は誤解

    ここで非常に重要な注意点があります。

    成年後見人の役割は、
    **「本人の利益を守ること」**であり、
    他の相続人の都合を調整することではありません。

    そのため、

    • 明らかに本人に不利な分割案
    • 他の相続人だけが得をする内容

    には、後見人は同意しません。

    場合によっては、
    家庭裁判所の追加許可(権限外行為許可)が必要になり、
    手続きがさらに慎重になります。


    ■成年後見制度を使うときの現実的な負担

    成年後見制度は万能ではありません。
    実務では、次の点を事前に理解しておく必要があります。

    • 申立てから選任までに数か月かかる
    • 後見人報酬が継続的に発生する
    • 相続手続き後も後見が続く場合がある

    「相続が終わったら後見も終わり」とは限らない点は、
    家族にとって想定外になりがちです。


    ■中編まとめ

    ・成年後見人が選任されると、相続手続きが法的に進められる
    ・後見人は“本人の利益最優先”で行動する
    ・家族が後見人になれないケースも多い
    ・制度利用には時間と費用がかかるため、早めの判断が重要

    次回(後編)では、
    成年後見制度を使わずに済むケースはあるのか/使う前に検討すべき選択肢を解説します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 相続人に認知症の方がいる場合の全体設計
    • 成年後見制度の要否判断・制度選択の整理
    • 家庭裁判所提出書類の作成サポート
    • 後見人選任後の遺産分割・相続手続き支援
    • 司法書士・弁護士との連携によるワンストップ対応

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