前編では、相続人の一人が認知症の場合、原則として相続手続きが止まり、
家族が代わりに決めることはできないという点を整理しました。
中編では、成年後見人を立てると、相続手続きがどう進むのかを具体的に解説します。
成年後見人が選任されると、
判断能力が不十分な相続人に代わり、法律行為を行える正式な代理人が立ちます。
これにより、
が、法律上有効な形で可能になります。
つまり、
「止まっていた相続手続きが、ようやく動き出す」状態になります。
多くの方が気になるのがこの点です。
「家族が後見人になれるのでは?」
答えは ケースによる です。
家庭裁判所は、
などを総合的に判断します。
相続案件では、
子どもが相続人である場合、後見人に選ばれないことも多く、
弁護士・司法書士などの第三者専門職が選任されるケースが少なくありません。
ここで非常に重要な注意点があります。
成年後見人の役割は、
**「本人の利益を守ること」**であり、
他の相続人の都合を調整することではありません。
そのため、
には、後見人は同意しません。
場合によっては、
家庭裁判所の追加許可(権限外行為許可)が必要になり、
手続きがさらに慎重になります。
成年後見制度は万能ではありません。
実務では、次の点を事前に理解しておく必要があります。
「相続が終わったら後見も終わり」とは限らない点は、
家族にとって想定外になりがちです。
・成年後見人が選任されると、相続手続きが法的に進められる
・後見人は“本人の利益最優先”で行動する
・家族が後見人になれないケースも多い
・制度利用には時間と費用がかかるため、早めの判断が重要
次回(後編)では、
成年後見制度を使わずに済むケースはあるのか/使う前に検討すべき選択肢を解説します。