• 相続専門!国際関係業務にも強い!21年間の行政経験を踏まえて、皆様をサポートします!

    「母が亡くなり、相続手続きを進めたいのですが、
    父が認知症で話ができません。このまま進められますか?」

    相続の現場で、非常に多い相談です。
    結論から言うと、相続人の一人が認知症の場合、原則として相続手続きは止まります。
    そして多くのケースで避けて通れないのが「成年後見制度」です。

    前編では、なぜ相続が止まるのか、その仕組みと誤解を整理します。


    ■ケース:父が認知症、子ども2人の相続

    被相続人は母Mさん。
    相続人は、夫Fさん(80代)と、長男Aさん・長女Bさんの3人です。

    母の死亡後、預金解約と自宅不動産の名義変更を進めようとしましたが、
    父Fさんは中等度の認知症で、内容を理解した意思表示ができません。

    Aさんは言います。
    「父は施設に入っているし、実質は私たち子どもで決めてしまっていいのでは?」

    ここに、大きな落とし穴があります。


    ■なぜ“認知症”だと相続が進まないのか

    相続手続きの多くは、
    相続人全員の意思表示が前提です。

    特に重要なのが、

    • 遺産分割協議
    • 不動産の相続登記
    • 預金解約

    これらはすべて、
    「本人が内容を理解し、同意している」ことが必要になります。

    認知症により判断能力が不十分な場合、
    その同意は法律上、無効になる可能性があります。

    つまり、
    「家族だから」「本人のためだから」という理由では、
    代わりに署名・押印することはできないのです。


    ■よくある誤解:「法定相続分どおりならOK?」

    相談で非常に多い誤解がこれです。

    「揉めていないし、法定相続分どおりに分けるなら、
    後見人なんて立てなくていいですよね?」

    答えは NO です。

    たとえ法定相続分どおりであっても、
    遺産分割協議は“協議”である以上、
    認知症の相続人の意思表示が必要です。

    金融機関や法務局も、
    「本当に本人の意思に基づいているか」を厳しく確認します。


    ■成年後見人は“特別な人の制度”ではない

    成年後見制度と聞くと、
    「大ごと」「裁判所」「大変そう」
    というイメージを持つ方が多いかもしれません。

    しかし実務では、
    **認知症の相続人がいる場合の“現実的な入口”**として使われる制度です。

    後見人が選任されることで、

    • 認知症の本人の権利を守りながら
    • 遺産分割協議に正式に参加できる

    という状態が整います。


    ■前編まとめ

    ・相続人の一人が認知症だと、原則として相続手続きは止まる
    ・家族が代わりに決めることはできない
    ・法定相続分どおりでも、遺産分割協議には本人の意思表示が必要
    ・成年後見制度は、相続を進めるための“現実的な手段”

    次回(中編)では、
    成年後見人を立てる具体的な流れと、相続手続きへの関わり方を解説します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 相続人に認知症の方がいる場合の手続き全体設計
    • 成年後見制度の利用可否・流れの整理
    • 家庭裁判所提出書類の準備サポート
    • 成年後見人選任後の相続手続き支援
    • 司法書士・弁護士との連携によるワンストップ対応

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です