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    前編では、農地が相続財産に含まれると、宅地とは違い農地法による強い規制がかかることを見てきました。
    中編では、「では実際に、どのような分割方法が検討されるのか」、そして「どこで現実的に詰まりやすいのか」を整理します。


    ■前編でのケース:農業を継がない3兄弟

    父Kさんの農地を相続することになった3兄弟。
    誰も農業を継ぐ意思はなく、当初は
    「3等分して売ればいいのでは」
    と考えていました。

    しかし、農地法の制限を知り、分割案は振り出しに戻ります。


    ■農地相続でよく検討される分割パターン

    ① 相続人の一人がまとめて相続する(単独取得)

    もっとも多い選択肢が、一人が農地をまとめて相続し、他の相続人には預金など別の財産で調整する方法です。

    ただし問題は、

    • 農地を引き受ける人が本当に管理できるのか
    • 売却・転用の見込みがあるのか
      という点です。

    「とりあえず自分が相続する」と決めてしまい、後から“処分できない不動産”として重荷になるケースも少なくありません。


    ② 農地を共有名義で相続する

    次に検討されがちなのが、兄弟での共有相続です。

    一見すると公平ですが、実務では注意が必要です。
    共有にすると、

    • 売却・賃貸・転用に全員の同意が必要
    • 将来、相続が重なり共有者が増える
    • 意見が合わず、さらに動かなくなる

    といったリスクが高まります。
    農地の場合、この「動かせない共有」は特に問題になりがちです。


    ③ 農地を売却して現金で分ける

    理想的に見えるこの方法も、農地法の許可が下りる買主が見つからなければ実現しません。

    農業を行う意思と能力のある買主に限定され、地域によっては事実上「買い手がいない」こともあります。


    ■実務で最大の分かれ道は「誰が農地を引き継ぐのか」

    中編で強調したいのは、**農地相続の本質は“分け方”ではなく“引き受け手”**だという点です。

    • 誰が管理するのか
    • 将来どう処分するのか
    • 農業委員会の許可が現実的か

    この見通しが立たないまま分割協議をすると、
    「一応決めたが、その後何も進まない」という事態になりやすいのです。


    ■農地相続で“やってはいけない判断”

    よくある失敗は次の通りです。

    • とりあえず共有にする
    • 農地の種類(青地/白地)を確認せずに話を進める
    • 農業委員会に相談せず、相続人だけで結論を出す

    農地は、決めてから動くのではなく、調べてから決める財産です。


    ■中編まとめ

    ・農地相続の分割方法は、
     ①単独取得 ②共有 ③売却 が主な選択肢
    ・ただし、どの方法も農地法の制限を前提に考える必要がある
    ・最大のポイントは「誰が農地を引き受けるのか」
    ・安易な共有や見切り発車の協議は、将来の行き詰まりにつながる

    次回(後編)では、農地相続で現実的な解決策をどう組み立てるか、行政・農業委員会との関係も含めて整理します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 農地を含む相続財産の整理・分割案の検討
    • 農地の種類・規制内容の確認
    • 農業委員会への事前相談の整理
    • 相続人間の協議調整サポート
    • 司法書士・農業委員会等との連携支援

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