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    前編では、外国籍・海外在住の相続人がいる場合に、
    「相続人であること」と「本人であること」の証明が複雑になる理由を整理しました。
    中編では、日本側と外国側の書類の分け方、署名証明の取得方法など、
    “必要書類の集め方”にフォーカスしました。

    後編では、これらを踏まえたうえで、実際に遺産分割協議をどう進めるか
    海外在住相続人とのコミュニケーションをどう設計するかを解説します。


    ■海外相続人との協議は「メールで済ませない」が鉄則

    海外在住の相続人は、時差や家庭事情から、日本の家族との連絡が途絶えがちです。
    しかし、相続協議は「言った・言わない」が致命的になるため、
    連絡は必ず“書面(テキスト)で残る形”が基本です。

    効果的なのは次の3段階です。

    ① まずメール・メッセージで概要を共有
    ② 詳細は PDFの説明資料にまとめて送付
    ③ 重要な合意は、署名の前に「協議内容メモ」を双方で確認

    「とりあえず電話で説明した」は後のトラブルの元です。
    距離があるからこそ、“記録に残す設計”が必須になります。


    ■協議の進め方は“順番”が命:まず相続財産の見える化

    外国籍相続人との協議では、
    「資料が揃っていない段階で分け方の話になる」ことが非常に多いです。

    順番は必ず次の通りにします。

    ① 財産の全体像を共有(預金・不動産・保険など)
    ② 各財産の評価額を日本側で整理
    ③ 分割案を複数パターン提示

    Bさん(海外相続人)は、日本の相続制度や不動産評価を知らないことが多く、
    評価額や必要費用を「数字」で見せるだけで納得度が大きく変わります。

    この“見える化”があるかどうかで、協議のスムーズさが数倍変わります。


    ■署名の取得は「郵送前に内容チェック」が必須

    海外への郵送は時間もコストもかかります。
    そのため、いきなり協議書を送るのではなく、PDFで次の作業をします。

    • 誤字脱字のチェック
    • 氏名・住所表記(ローマ字)の確認
    • 署名証明の取得方法の共有
    • 署名・返送の締切日を合意

    これを事前にクリアしてから郵送すれば、
    「届いたら誤記だった」「書き直して再送」
    といった最悪の事態を避けられます。


    ■海外相続人との協議で“揉めやすいポイント”はここ

    経験上、次の3つで摩擦が起きやすいです。

    「なぜこんなに書類が多いの?」問題
     → 解説資料をつけて、理由を先に説明する。

    「海外に住んでいるのに、なぜ日本の法律に従う必要があるの?」問題
     → 日本国内の財産は日本法が原則であることを静かに説明。

    「署名証明を取るのが面倒」問題
     → 公証役場/在外公館のメリット・デメリットを比較して提案する。

    “納得の土台”作りがないまま事情だけ押し付けると、
    協議が数ヶ月止まりがちです。


    ■まとめ(後編)

    ・海外相続人との協議は「記録を残す設計」が最重要
    ・財産の全体像 → 評価 → 分割案の順で“見える化”するとスムーズ
    ・署名証明の取得前に必ずPDFで内容確認
    ・摩擦ポイント(書類の多さ・日本法・署名証明)は先に説明しておく

    国際色のある相続は、国内の相続とは別物です。
    だからこそ、順番・説明・記録という3本柱を押さえるだけで、
    驚くほどスムーズに進みます。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 相続財産の整理・評価の“見える化”資料作成
    • 海外相続人向けの説明書(英文含む)の作成
    • 署名証明/公証/在外公館手続きの案内
    • 遺産分割協議書案の作成
    • 必要書類のリスト化と取得サポート
    • 司法書士・弁護士・海外専門家との連携(国際相続対応)

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