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    前編・中編では、相続人の一人(次男Dさん)が音信不通となり、遺産分割協議が進まなくなったケースを扱いました。戸籍・附票・住民票で所在確認を行い、住所が分かる場合は書面で段階的に連絡する――ここまでが基本ルートです。

    後編では、住所が追えない/郵便が戻る/協議を拒否するなど、「どうしても合意形成ができない」場合の次の一手を整理します。

    ■結論:2人だけでは進められない。裁判所手続きで“代理人”を立てる発想

    遺産分割協議は、原則として相続人全員の合意が必要です。Dさんが不在のままでは、預金解約も不動産の名義変更も止まりがちです。
    そこで選択肢になるのが、家庭裁判所の手続きです。ポイントは「行方不明の相続人の代わりに手続きを進める仕組み」を作ることです。


    ■ルート①:不在者財産管理人(行方不明でも“生存”が前提)

    Dさんが生きている可能性が高いが所在が分からない、または連絡不能――この場合に検討されるのが 不在者財産管理人 です。
    家庭裁判所に申立てを行い、管理人が選任されると、Dさんの財産を守りつつ、必要な手続きを進める道が開けます。

    ただし、遺産分割協議まで進めるには、管理人だけで足りず、別途「権限外行為許可」など裁判所の関与が必要となる場面があります。
    要するに、一発で解決ではなく、段階を踏む手続きです。


    ■ルート②:失踪宣告(長期不明で“死亡とみなす”制度)

    音信不通が長期間に及ぶ(状況により年数要件あり)場合は、失踪宣告という選択肢も出てきます。
    これは一定の要件を満たすと、法的に「死亡したもの」とみなし、相続関係を整理できる制度です。

    ただし、要件のハードルが高く、時間もかかるため、すべてのケースに適するわけではありません。実務では不在者財産管理人の方が現実的なことも多いです。


    ■ルート③:遺産分割調停(話し合いが拒否・決裂する場合)

    住所は分かるのに協議を拒否される、話がまとまらない――この場合は、家庭裁判所で 遺産分割調停 を検討します。
    第三者(調停委員)が入ることで、当事者の感情を切り離し、論点を整理しながら前に進められるのがメリットです。


    ■実務で大切なのは「最短ルート選び」と「記録を残すこと」

    裁判所手続きは時間も費用もかかります。だからこそ、前編・中編で行った
    ・所在調査
    ・段階的な連絡(発送記録・返戻の保存)
    が、後編のルート選択を支える土台になります。

    「何を、いつ、どこに送ったか」「届いたのか戻ったのか」
    この積み重ねが、裁判所に状況を説明する“証拠”になります。


    ■まとめ(後編)

    ・行方不明相続人がいる場合、2人だけで進めるのは危険
    ・所在不明なら「不在者財産管理人」、長期不明なら「失踪宣告」、拒否・決裂なら「遺産分割調停」
    ・最短ルート選びには、所在調査と連絡履歴の記録が効く


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 戸籍収集・相続人確定、法定相続情報一覧図の作成
    • 戸籍の附票・住民票等による所在調査の手配
    • 行方不明相続人への連絡文案作成、送付設計(記録の残し方)
    • 相続財産の整理(預金・不動産等)と手続き全体の段取り
    • 事案に応じた司法書士・弁護士との連携(不在者財産管理人・調停等)

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