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    前編では、相続人の一人(次男Dさん)と連絡が取れず、遺産分割協議が進まなくなるケースを紹介しました。相続手続きは原則として相続人全員の関与が必要で、まずは戸籍・戸籍の附票・住民票など公的記録で住所を追い、状況を確認するところが出発点でした。

    中編では、調査の結果「住所は分かった(=郵便は届く可能性がある)」場合に、どう連絡し、どう協議へ戻していくかを整理します。

    ■住所が分かったら、いきなり電話より“書面”が基本

    数年音信不通の相手に、突然電話すると警戒され、話がこじれやすくなります。
    そこで実務では、まず 書面(手紙)で丁寧に 連絡するのが基本です。

    伝えるべきは、責める言葉ではなく次の3点だけ。
    ①被相続人が亡くなった事実
    ②相続手続きが必要で、協議参加が求められること
    ③連絡先・返信方法(期限の目安も添える)

    「出てこないと困る」「迷惑をかけている」といった言葉は逆効果になりがちです。目的は“協議の場に戻ってもらう”こと。感情の清算は後回しです。

    ■送付方法は段階的に。最初から内容証明で殴らない

    書面の送付は、次のように段階を踏むと成功率が上がります。

    • まずは通常郵便(または簡易書留)
    • 反応がなければ書留や配達記録で到達性を高める
    • 最終段階で内容証明郵便(文面は淡々と)

    いきなり内容証明にすると「敵対」と受け取られ、協議復帰が難しくなることがあります。
    一方で、後に裁判所手続きを検討する可能性がある場合は、どの段階でも 発送日・宛先・到達状況を記録 しておくことが重要です。

    ■協議に戻ってきたら、争点は“手続き”と“感情”を分ける

    Dさんから返信があり、協議に参加する意思が示されたとしても、次の壁があります。
    「今さら何の用だ」「昔のことを蒸し返すな」など、感情のもつれです。

    ここで有効なのが、議題を2つに分けるやり方です。

    1. まず手続き(遺産の全体像、分け方の原則、必要書類)
    2. 感情面(過去の不満や関係性)は別枠で扱う

    遺産分割協議書は“感情の判定書”ではありません。署名押印まで到達するためには、手続きの整理を先に進め、揉めやすい論点は小分けにして合意を積み上げます。

    ■それでも反応がないときに備えて「次の一手」を準備する

    中編の段階で押さえたいのは、連絡が取れた場合の進め方だけでなく、
    「返事がない」「協議を拒否する」場合に備えて、証拠(連絡履歴)を残すことです。
    この蓄積が、次回(後編)で扱う 家庭裁判所手続き(不在者財産管理人等) への橋渡しになります。

    ■まとめ(中編)

    ・住所が分かったら、まずは書面で丁寧に連絡
    ・送付は段階的に。到達性と記録を意識する
    ・協議に戻ってきたら「手続き」と「感情」を分けて進める
    ・反応がない場合に備え、連絡履歴を残して次の一手へ

    次回(後編)では、住所が追えない/届かない/協議拒否のときの裁判所手続き(不在者財産管理人・失踪宣告など)の考え方を解説します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    • 戸籍収集・法定相続情報一覧図の作成
    • 戸籍の附票・住民票等による所在調査の手配
    • 行方不明相続人への連絡文案作成、送付設計(記録の残し方)
    • 相続財産の整理(預金・不動産等)と協議の進行サポート
    • 遺産分割協議書案の作成支援
    • 事案に応じた司法書士・弁護士との連携(裁判所手続き含む)


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