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    ■「父の相続、放棄したからもう大丈夫」…本当に?

    相続の場面では、故人の財産に“借金”が含まれていることがあります。
    そして、その借金が相続開始後に突然判明し、
    「相続放棄したはずなのに、なぜ請求が来るの?」
    という相談が非常に多く寄せられます。

    今回の主人公は、長女Jさんと長男Kさんの兄妹。
    父Lさんが亡くなった際、2人は
    「父には財産がほとんどない」
    「借金もないはず」
    と考え、早々に相続放棄を選択しました。

    家庭裁判所で相続放棄の申述も受理され、
    2人は一安心。
    しかし、この“安心”は長く続きませんでした。

    ■突然届いた「消費者金融からの通知」

    父の死から半年ほど経った頃、
    Jさんの自宅に 消費者金融からの督促状 が届きます。

    「え…? 相続放棄しているのに…どうして?」
    Jさんは動揺しました。

    通知の内容はこうです。

    「お父様 L様の未払い債務について、
    相続人として支払いを求めます。」

    Kさんの元にも同じ手紙が届き、兄妹は顔面蒼白。
    「相続放棄は無意味だったのか?」
    「手続きが間違っていたのか?」
    と不安が一気に高まります。


    ■そもそも相続放棄とは?

    相続放棄は、
    “相続人ではなかったことにする” 制度です。

    家庭裁判所で適正に手続きを行えば、
    法律上は最初から相続人ではなかった扱いになります。
    つまり、
    ・財産を受け取れない
    ・借金も背負う必要がない
    これが大原則。

    ではなぜ、JさんとKさんに督促が届いたのでしょうか。

    ■原因①:金融機関が相続放棄を認識していない

    相続放棄をしても、
    その情報は自動的に債権者へ通知されません。

    債権者は戸籍の情報から「相続人候補」を推測して通知をします。
    そのため、

    • 家庭裁判所では相続放棄済み
    • しかし債権者はその事実を知らない

    という状況が起こりやすいのです。

    実は今回の督促も、この“情報の行き違い”が原因でした。


    ■原因②:相続放棄しても「次順位の相続人」が存在する

    相続放棄をすると、その人は最初から相続しない扱いになります。
    すると、次の順位の相続人へ権利(=義務)が移動します。

    今回の場合…

    • Jさん・Kさん(第1順位)が相続放棄
        ↓
    • 父の兄弟(第3順位)へ相続権が移動

    しかし、次順位の相続人が全く事情を知らず、
    “誰も相続放棄しない状態”で債務だけが残ると、
    債権者から「まずは第一順位の子へ通知」が届くことがあるのです。

    「相続放棄しても通知は届く」
    これは意外と知られていません。


    ■まとめ(前編)

    • 相続放棄をしても、債権者へ自動で共有されるわけではない
    • 次順位の相続人が相続する可能性がある
    • 通知が届いた=相続放棄が無効、ではない
    • 適切に対応すれば請求を止められるケースが多い

    次回(第11話②・中編)では、
    Jさん・Kさんが実際にどう対応し、
    債権者の請求がどのように解決したのかを解説します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・相続放棄手続きのサポート(戸籍収集含む)
    ・相続放棄後に届く通知への対応アドバイス
    ・債権者との連絡文書作成支援
    ・次順位相続人への説明資料の作成
    ・相続放棄と並行した遺産調査
    ・司法書士・弁護士との連携による総合支援


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