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    ■“公平な評価”を求めて、兄弟は専門家へ

    前編で紹介したとおり、Gさん・Hさん・Iさんの3きょうだいは、
    「実家がいくらなのか」をめぐって平行線の状態でした。
    査定額はそれぞれバラバラ。
    いずれも根拠はあるものの、
    “どれが正しい評価か” という合意形成ができません。

    そこで3人は、
    「まずは冷静になれる資料をそろえるべきだ」
    と考え、専門家に相談することを決めました。

    専門家から提示されたのは大きく3つの評価方法でした。

    ■① 路線価(相続税評価)での算出

    最も客観的で公平性が高いとされる評価が 路線価 です。
    国税庁が公表しているデータで、
    相続税計算の際にも使用されるため、
    「相続協議で採用されるケースが多い」という特徴があります。

    路線価をもとに土地の価値を計算し、
    古家は法定耐用年数を超えているため「評価ゼロ」に。

    その結果、土地評価は 約1,250万円 となり、
    長男の“1,000万円説”と次男の“2,000万円説”の中間値に近い数字が算出されました。

    ■② 不動産会社の「実勢価格査定」

    次に不動産会社に依頼したのは、
    「実際に売ったらいくらになるか」という査定(実勢価格)。
    今回は2社に依頼したところ、

    • A社:1,050〜1,250万円
    • B社:1,200〜1,400万円

    と、幅はあるものの、路線価評価に比較的近い結果でした。

    専門家によれば、
    「築年数が古く、修繕費がかかる物件は、路線価より実勢額が下がりやすい」
    とのこと。

    3人も徐々に「2,000万円はやっぱり高すぎた」と理解し始めます。

    ■③ 空き家リスク・修繕費の試算

    さらに専門家が重要視していたのが、
    空き家となった場合のリスク評価 です。

    • 屋根・外壁の修繕で最低150〜250万円
    • 解体費用は120〜150万円
    • 固定資産税・維持費の負担
    • 近隣への倒壊リスク

    これらを考慮すると、
    査定額から修繕費などを差し引いた“実質価値”は
    900〜1,050万円程度 に落ち着くという分析でした。

    ここでIさんが強く納得し、
    「数字が違う理由がようやく理解できた」とコメント。
    感情で動きかけた議論が、事実に基づく議論へと変わり始めます。

    ■3きょうだいが選択した“公平な基準”

    最終的に3人は次のように合意します。

    「路線価評価」と「不動産会社2社の査定」を平均して評価額とする。
    そこから修繕費相当分を控除して実質価値を算出する。

    この方法は、

    • 客観的(路線価)
    • 市場に近い(不動産査定)
    • リスク反映(修繕費控除)

    という3つの側面をバランスよく取り入れた方法でした。

    お互いの主張に固執していた兄弟も、
    「数字の根拠が見える化」されたことで納得に近づいていきます。

    ■次回予告(後編)

    後編では、
    実際にどのように遺産分割が決まったのか、
    実家を売却するのか、誰かが引き継ぐのか、
    そして兄弟が最終的に得た“教訓”について解説します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・路線価・固定資産税評価などの「客観的資料」の提示
    ・不動産査定の比較表の作成
    ・空き家リスクや修繕費の見える化
    ・遺産分割協議書の作成
    ・司法書士・不動産会社との連携サポート
    ・兄弟間の意見整理と合意形成のサポート


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