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    ■「実家はいくら?」――ここから争いが始まる

    相続の現場で最も揉めやすい財産が 不動産 です。
    中でも実家の評価をめぐる争いは非常に多く、

    • 「不動産会社に聞いたら1,800万円と言われた」
    • 「いや、固定資産税評価は1,100万円だ」
    • 「ネット査定だと2,300万円だったぞ」

    と、兄弟それぞれが“自分に都合の良い数字”を持ち寄り、
    話し合いが全くかみ合わなくなる状況がよく見られます。

    今回のケースの主人公は、3人きょうだい(長男Gさん、次男Hさん、長女Iさん)。
    亡くなった母の遺産の中で最大の財産が 築40年の実家 でした。

    ■登場人物と状況整理

    • 母(被相続人):Xさん
    • 長男:Gさん(実家近く)
    • 次男:Hさん(遠方)
    • 長女:Iさん(既婚別世帯)

    母の死後、その実家は空き家となり、
    遺産分割協議で最初に火種となったのが 評価額の決め方 です。

    ■三者の主張が食い違うワケ

    ●長男Gさん

    老朽化が激しく、修繕費も高額。「1,000万円が妥当」と主張。
    地元の不動産会社からは“900~1,100万円”の査定あり。

    ●次男Hさん

    「更地にすれば2,000万円近い」とネット査定の高額値を信じていた。

    ●長女Iさん

    「公平に分けたい」と言うものの、専門知識がなく判断が難しい。

    数字がバラバラの理由は、
    評価方法が違えば金額が変わる仕組み にあります。

    ■不動産の評価方法は複数ある

    代表的な評価基準は以下の4つ。

    ① 不動産会社の簡易査定

    市場価格をもとにするが、会社ごとのバラつきが大きい。

    ② 固定資産税評価額

    公的評価だが、市場価格の約70%が目安。

    ③ 路線価

    相続税評価で用いるもの。市場価格の約80%。

    ④ 一括査定サイト

    複数社が競い、高めに出やすい。

    つまり、
    「誰の出した数字を基準にするか」で揉めるのは必然 なのです。

    ■実家特有の“価値を下げる要素”も見落とされがち

    さらに今回は、

    • 築40年の老朽化
    • 修繕箇所多数
    • 駐車場なし
    • 周辺に大型開発計画
    • 相続登記未了による時間ロス

    といった不利な要素も存在していました。

    これらの“減価要因”を考慮すると、
    単純な高額査定を信じることは危険です。

    ■まとめ(前編)

    • 不動産は評価方法によって金額が変わる
    • 兄弟が“都合の良い数字”を持ち寄ると、話がまとまらない
    • 減価要因や市場状況も考慮すべき
    • 公平な基準を決めることが、相続を成功させる第一歩

    次回(第10話②・中編)では、
    3人兄弟がどの評価基準を採用し、
    どのように“公平な価格”に合意したのかを解説します。


    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・不動産の評価方法の整理と比較資料の作成
    ・路線価・固定資産税評価額などの客観的データの提示
    ・不動産会社との調整支援
    ・遺産分割協議書の作成
    ・相続登記を含む司法書士連携サポート
    ・兄弟間の説明資料作成と誤解の解消支援


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