前編で紹介したとおり、Dさんたち相続人は、父Fさんの遺言で指定された
「遺言執行者Yさん(父の友人)」
が全く動かない状況に悩まされていました。
遺言執行が滞っていた理由は、大きく3つありました。
Yさんは、遺言執行者が「連絡係」くらいの軽い役割だと思っていました。
実際には、財産調査・銀行手続き・不動産名義変更・相続人への説明など、
高度な専門知識と事務負担が伴う“重い職務” です。
70代のYさんは、金融機関の手続きやオンライン口座照会などに不慣れで、
「自分には無理だ」と感じたものの、
“断るタイミングを失った”状態でした。
遺言執行者には民法上の責任が発生します。
誤った分配や遺言の不履行には、損害賠償リスクもゼロではありません。
その重圧から、先延ばし → 放置 という悪循環に陥っていました。
DさんとEさんは専門家に相談し、3つの選択肢があることを知ります。
これは最もシンプルですが、Yさんが辞任を承諾する必要があります。
職務放棄・著しい遅滞があれば認められる場合があります。
ただし時間も費用もかかり、相続人同士の関係も悪化しやすい。
行政書士・司法書士・弁護士が関わることで、
Yさんが署名・押印するだけで済む形に業務を整理できます。
Dさんたちは「争いたくない」という思いから、③の方法を選びました。
専門家が入ると、状況は一気に改善します。
これらを専門家が一括で整理し、Yさんには
「署名・押印」「必要書類の提出」だけをお願いする形に変更。
Yさんも
「これなら出来る」
と態度が大きく変わりました。
DさんとEさんも、
「最初から専門家に頼めばよかった…」
と胸をなでおろします。
遺言執行者トラブルは、本人の悪意よりも
“知らない”、“できない”、“怖い” という心理が原因であることが多いのです。
次回(第9話③・後編)では、
実際にどのように遺産が分配され、
家族がどんな教訓を得たのかを解説します。
・遺言執行者の業務全般のサポート
・遺言執行者が動かない場合の相談・対策
・財産調査、銀行・法務局手続きの代行
・遺産分割協議書・説明資料の作成
・遺言書作成時の「適切な遺言執行者」の選定助言
・司法書士・税理士・弁護士と連携したワンストップ支援