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    ■なぜ遺言執行者Yさんは動かなかったのか?

    前編で紹介したとおり、Dさんたち相続人は、父Fさんの遺言で指定された
    「遺言執行者Yさん(父の友人)」
    が全く動かない状況に悩まされていました。

    遺言執行が滞っていた理由は、大きく3つありました。

    ① 遺言執行者の役割を理解していなかった

    Yさんは、遺言執行者が「連絡係」くらいの軽い役割だと思っていました。
    実際には、財産調査・銀行手続き・不動産名義変更・相続人への説明など、
    高度な専門知識と事務負担が伴う“重い職務” です。

    ② 高齢で手続きに自信がなかった

    70代のYさんは、金融機関の手続きやオンライン口座照会などに不慣れで、
    「自分には無理だ」と感じたものの、
    “断るタイミングを失った”状態でした。

    ③ 責任を負うことを恐れていた

    遺言執行者には民法上の責任が発生します。
    誤った分配や遺言の不履行には、損害賠償リスクもゼロではありません。
    その重圧から、先延ばし → 放置 という悪循環に陥っていました。

    ■遺言執行者が動かないと相続人はどうするのか?

    DさんとEさんは専門家に相談し、3つの選択肢があることを知ります。

    ✔ 選択肢①:遺言執行者に辞任してもらう

    これは最もシンプルですが、Yさんが辞任を承諾する必要があります。

    ✔ 選択肢②:家庭裁判所に「解任」を申し立てる

    職務放棄・著しい遅滞があれば認められる場合があります。
    ただし時間も費用もかかり、相続人同士の関係も悪化しやすい。

    ✔ 選択肢③:専門家が“実質的なサポート”を行い、遺言執行者を補助する

    行政書士・司法書士・弁護士が関わることで、
    Yさんが署名・押印するだけで済む形に業務を整理できます。

    Dさんたちは「争いたくない」という思いから、③の方法を選びました。

    ■専門家の関与で事態は動き出す

    専門家が入ると、状況は一気に改善します。

    • 財産の一覧化
    • 銀行への照会
    • 不動産の登記必要書類の作成
    • 相続人への説明資料の作成
    • 手続きスケジュールの設定

    これらを専門家が一括で整理し、Yさんには
    「署名・押印」「必要書類の提出」だけをお願いする形に変更。

    Yさんも
    「これなら出来る」
    と態度が大きく変わりました。

    DさんとEさんも、
    「最初から専門家に頼めばよかった…」
    と胸をなでおろします。

    遺言執行者トラブルは、本人の悪意よりも
    “知らない”、“できない”、“怖い” という心理が原因であることが多いのです。

    ■まとめ(中編のポイント)

    • 遺言執行者が動かない原因は「理解不足」「高齢」「責任への不安」
    • 相続人には、辞任・解任・専門家補助の3つの選択肢がある
    • 専門家の関与で“止まっていた相続”は動き出しやすい
    • トラブルの多くは悪意ではなく“無理を背負った素人遺言執行者”が原因

    次回(第9話③・後編)では、
    実際にどのように遺産が分配され、
    家族がどんな教訓を得たのかを解説します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・遺言執行者の業務全般のサポート
    ・遺言執行者が動かない場合の相談・対策
    ・財産調査、銀行・法務局手続きの代行
    ・遺産分割協議書・説明資料の作成
    ・遺言書作成時の「適切な遺言執行者」の選定助言
    ・司法書士・税理士・弁護士と連携したワンストップ支援


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