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    ■寄与分の審理で明らかになる“厳しい現実”

    Kさんは父Lさんの介護について、
    10年にわたる通院同行、金銭管理、生活支援の記録を必死に集め、
    「特別の寄与」として評価されることを願いました。

    しかし調停委員から返ってきた言葉は冷静でした。

    「介護の献身は素晴らしいですが、
     法的には“通常の扶養義務の範囲内”と判断される可能性が高いです。」

    つまり、
    「がんばった」という事実と、
    「法的評価」は必ずしも一致しない
    ということです。

    寄与分として認められるには、
    “財産の維持・増加”に対する明確な貢献を示す必要があります。
    多くの介護者がここで壁にぶつかります。

    ■兄弟の本音と、すれ違いが生む緊張

    審理が進むにつれ、兄弟の本音も見え始めます。

    Nさん(兄):
    「確かに任せきりだった。でも多く渡すのは納得できない。」

    Oさん(弟):
    「Kの負担は感謝している。でも、証拠がなければ寄与分にはならないと思う。」

    Kさんは複雑な思いを抱えました。
    「私がいなければ成立しなかった生活なのに…」
    しかし同時に、
    兄弟もそれぞれの立場で悩んでいたことを知ります。

    ここに、相続で最も多い“感情のねじれ”があります。

    • 介護者の「私が一番頑張った」
    • 離れていた兄弟の「できる範囲で関わった」

    どちらも嘘ではなく、
    どちらも正しさを持っているのです。

    ■たどり着いた“落としどころ”

    結論として、調停では次のように決まりました。

    • 寄与分としての法的認定 → 不成立
    • しかし協議の中でKさんの貢献を考慮し、預貯金の一部を加算する形で調整

    つまり、
    「法律上の寄与分ではなく、話し合いによる事実上の調整」
    が最終的な着地点となりました。

    Kさんはこう振り返ります。

    「法的に寄与分とは認められなくても、
     兄弟が私の介護を認めてくれたことが救いでした。」

    家族にとって大切なのは、
    “寄与分の金額”よりも、“気持ちの折り合い”なのかもしれません。

    ■寄与分で失敗しないために、生前からできること

    今回のケースは、
    “相続が始まってから寄与分を主張するのは難しい”
    という現実をはっきり示しています。

    再発防止のために重要なのは次の4つです。

    1. 介護内容を日々記録する
       (通院記録、費用、介護時間など)
    2. 家族で負担を話し合い、共有しておく
    3. 遺言書で介護者への感謝と分配を明記する
    4. 任意後見・家族信託で役割分担を可視化する

    「がんばり」を“証拠”と“仕組み”で守ることが、
    争族を防ぐ最も確実な方法です。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・寄与分・特別寄与料に関する資料整理・主張サポート
    ・介護記録・支出証拠の整理と説明書作成
    ・遺産分割協議書・調停資料の作成
    ・遺言・任意後見・家族信託など生前対策の設計
    ・司法書士・税理士・弁護士との連携によるワンストップ対応


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