• 相続専門!国際関係業務にも強い!21年間の行政経験を踏まえて、皆様をサポートします!

    ■相続後に訪れた“共有の現実”

    Aさんの死後、妻Bさんと2人の子どもたちは悲しみの中で相続手続きを進めました。
    しかし、「家の名義」をめぐってすぐに壁にぶつかります。
    Aさんの持分2分の1が相続財産となり、相続人であるBさん・長男・長女がそれぞれその一部を相続。
    登記上は、「Bさん〇分の〇、長男〇分の〇、長女〇分の〇」といった“新たな共有”が生まれました。

    Bさんは「この家は私が住み続ける」と思っていましたが、
    子どもたちからは「自分たちにも権利がある」「いずれ相続分を整理したい」という声が上がります。
    かつて“夫婦の共有”だった家が、今度は“親子の共有”へと姿を変えたのです。

    ■「住み続けたい母」と「権利を整理したい子どもたち」

    時間が経つにつれ、家の維持費・固定資産税・修繕費の負担をめぐる不満も生じました。
    Bさんが全てを負担しているのに、子どもたちは「自分の持分がある」と言うだけで支出に協力しない。
    いざ売却や建て替えの話になると、「勝手に決めないでほしい」と反対。

    こうした行き違いは、どの家庭にも起こり得ます。
    子どもたちは母を責めたいわけではなく、「将来、自分たちが相続する家だから整理しておきたい」という思いもあるのです。
    しかし、法的には共有者全員の同意がなければ、家を売ることも担保に入れることもできません。
    結果として、“誰も動かせない家”が残ることになります。

    ■共有のまま放置するとどうなるか

    このような状態を放置すると、次第に問題が深刻化します。

    • 子どもたちのうち一人が結婚・転居し、連絡が取りづらくなる
    • 固定資産税の支払いを誰がするか不明確になる
    • 家を修繕したくても、全員の同意が得られず老朽化が進む

    さらにBさんが亡くなれば、次の世代の相続で共有者が一気に増え、「孫世代で10人以上が共有者」というケースも珍しくありません。
    こうなると、もはや誰も全体像を把握できず、相続手続きも不可能に近い“共有地獄”となります。

    ■今のうちにできる「共有解消」の方法

    共有名義の家を、将来のトラブルから守るためには、次のような選択肢があります。

    1. 持分の贈与・譲渡
       子どもたちが納得すれば、Bさんが持分を買い取る、あるいは子どもたちが無償で譲渡する方法があります。
       ただし、贈与税や登録免許税の確認が必要です。
    2. 遺言書による指定
       「自宅は妻Bに相続させる」と明記すれば、共有化を防げます。
       Aさんのように早めに遺言を作成しておくことが何よりの備えです。
    3. 共有物分割協議
       共有者全員で話し合い、誰がどの部分を取得するか、または売却して代金を分けるかを決めます。

    “共有”はトラブルの種でもありますが、早めに整理すれば家族の絆を守ることもできます。
    次回(第4話③・後編)では、実際に共有を整理する具体的な手順と、専門家の関与が有効な理由を解説します。

    ■小樽つちや行政書士事務所でサポートできること

    ・共有名義のリスク診断と整理の提案
    ・持分譲渡契約書・合意書・説明資料の作成
    ・遺言書による共有防止策の設計支援
    ・共有物分割協議書の作成・調整
    ・司法書士・税理士との連携による名義変更・税務処理まで一貫サポート

    「共有のままでも大丈夫」と思っていませんか?
    それは“問題が見えていないだけ”かもしれません。
    家族の未来を守るために、今こそ一度立ち止まって見直してみましょう。


    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です