話し合いの場に、行政書士である専門家が同席しました。
兄・健一さんは「リフォームも介護も全部やってきた」と譲らず、妹の美佐さんは「気持ちは分かるけれど、家は父の名義だった」と主張します。
双方の主張には一理あります。
同居・介護という感情的な貢献と、
登記・相続分という制度上のルール。
この2つをどう調整するかが、実務の最大のポイントです。
最終的に、専門家の助言により次のような方針が見えてきました。
こうすることで、兄は住み慣れた家に残ることができ、妹も公平な金銭的清算を受けられる形となりました。
“家族の努力”と“制度の整合”を両立させることができたのです。
相続では「公平」と「納得」が必ずしも一致しません。
数字の上では平等でも、心の上では不満が残る――
そのようなケースが数多くあります。
だからこそ大切なのは、早い段階での対話と専門家の関与です。
事実関係を整理し、主張の根拠を確認し、合意を“文書に残す”ことが、後のトラブル防止につながります。
今回のケースのように、「同居していた」「世話をしてきた」「リフォームをした」などの思いがある場合ほど、冷静な第三者が入ることで話が前に進むことが多いのです。
当事務所では、
・不動産を含む遺産分割協議書の作成
・代償分割や寄与分を踏まえた公平な案の設計
・家族間の調整を円滑に進めるための意見書作成
などを通じて、感情と制度の両立を支援しております。
“家族の努力”がきちんと報われる相続へ――
それが「小樽つちや行政書士事務所」の願いです。