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    包括遺贈と特定遺贈の違い

    包括遺贈は、「遺産の全部」または「一定の割合(例:遺産の3分の1)」をまとめて承継させることをいいます。受け取る人(包括受遺者)は、相続人に近い立場となり、遺産に属する権利も負債も割合に応じて承継します。
    特定遺贈は、「この不動産」「この預金」「この株式」といった個別の財産を名指しで承継させる方法です。原則として負債は承継せず、その財産だけが対象になります。

    メリット・デメリット(実務で気をつけたい要点)

    • 包括遺贈のメリット:遺産全体に幅広く及ぶため、遺産の取りこぼしが少なくなります/遺産構成が変動しても割合で受けられます。
      デメリット負債も比例して承継することになります/遺産全体の調整や名義変更で手間がかかります。
    • 特定遺贈のメリット:指定した財産だけをピンポイントで渡すことができます/受け取る人ごとの目的に合わせやすくなります。
      デメリット:対象財産が現存しない・大きく価値変動していると支障が出ます(代物が必要とは限りません)/相続開始後の個別名義変更手続きが多くなります。

    税務・手続きの考え方(概要)

    遺贈は相続税の対象です(配偶者の税額軽減や小規模宅地等の適用可否などは条件により異なります)。また、遺留分(最低限の取り分)に配慮が必要で、侵害があると遺留分侵害額請求の対象になり得ます。
    手続面では、特定遺贈は各財産ごとに相続人や遺言執行者の関与で名義変更・払戻し等を進めます。包括遺贈は相続人に近い位置づけのため、相続人との調整や相続手続き全般に関与していく場面が多くなります。いずれも遺言執行者を置くと実務がスムーズです。

    使い分けのヒント(よくある設計例)

    • 包括遺贈が向く場面:遺産の中身が変動しやすい/全体の〇%をパートナーや団体に渡したい/遺産の「網羅性」を確保したい。
    • 特定遺贈が向く場面自宅は配偶者へ、事業用資産は後継者へなど、財産ごとに明確な承継先を決めたい/記念品・コレクション・特定株式など個別の意思を反映したい。
    • 組み合わせ:基礎は包括遺贈で割合指定、重要資産だけ特定遺贈で優先順位を示す——といったハイブリッドも実務上有効です。

    注意ポイント(トラブルを避けるコツ)

    対象財産の表示は最新の資料で正確に(不動産は所在・家屋番号/土地地番、金融資産は支店・口座番号等)。担保権・共有持分・賃貸中などの負担・利用状況は付言や別紙で背景を明記すると親切です。包括遺贈では負債承継リスクの説明を丁寧に。加えて、将来の事情変更に備え、予備的遺贈(受遺者が先に死亡した場合など)も入れておくと安心です。

    小樽つちや行政書士事務所のサポート

    当事務所では、遺言の目的整理、包括/特定の設計比較、付言事項の言い回し、必要資料の収集、遺言執行者指定に関する実務的な準備まで、行政書士の範囲で分かりやすく伴走します。登記・税務などが絡む場合は、司法書士・税理士等と連携して進められる体制づくりもご提案可能です。まずはお気軽にご相談ください。


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